STORESが考えるプロダクトマネージャーの価値と、その在り方とは?
経営目線でみたプロダクトマネジメントの重要性と、その役割の捉え方 第2回(ヘイ)
近年日本でも関心が集まっている「プロダクトマネージャー(PM)」。プロダクトマネージャーという職種を取り入れる企業も増えている。では、実際の企業では、どのような経緯でプロダクトマネジメントを導入し、どのような人がどのような思いでプロダクトマネージャーとしての仕事に取り組んでいるのだろう。今回、ヘイ株式会社(2022年10月より「STORES 株式会社」に社名変更予定)でVPoPを務める倉岡寛氏と、シニアPMを担当する浅田純史氏に、同社のプロダクトマネージャーの役割と、経営陣の観点から見たプロダクトマネージャーの重要性について聞いた。
商売のデジタル化を支援するプロダクトを展開する「hey」──その組織構成は?
heyは、ネットショップ開設サービス「STORES」、POSレジアプリ「STORES レジ」、キャッシュレス決済サービス「STORES 決済」、オンライン予約システム「STORES 予約」など、商売のデジタル化を支援するプロダクトを展開している。
「STORES」は、誰でも無料で簡単にネットショップを作成することのできるサービスだ。販売や入金などのショップ運営に必要な機能がそろっているほか、SNSとの連携や顧客管理、アクセス解析などもできる。
「STORES レジ」は、ネットショップと連動したPOSレジアプリ。ネットショップとPOSレジを連動させることで、商品情報や在庫、注文の連携が可能となり、複数店舗とネットショップの在庫を一元管理できる。ネットショップの注文を店舗のレジから確認してすぐに対応したり、売上データをWebで確認したりすることも可能だ。
「STORES 決済」は、クレジットカード、電子マネー、QRコード決済に対応したキャッシュレス決済サービスで、事業者はインターネット環境があれば屋内外問わずに利用ができる。また、「STORES レジ」とも連携しており、シームレスな体験を提供する。
「STORES 予約」は、主に美容院やマッサージ、フィットネスクラブなどの無形サービスを扱う事業者に向けた予約システムだ。24時間のネット予約受付ができ、予約確認メールや来店前日のリマインドメールを自動配信できるなど、予約管理における業務を自動化する。さらに、顧客管理機能や、予約時のクレジットカード決済や月謝料金の徴収など、さまざまな業務をサポートする。
「STORES ブランドアプリ」は、お店のアプリをかんたんに作成できるサービスだ。実店舗やネットショップの顧客情報・購買情報をまとめて管理・分析ができ、お客さま一人ひとりに合わせたメッセージや特典を配信できる。
同社でVPoPを務める倉岡寛氏によれば、今後は有形商材を扱っている人向けのプロダクトと無形商材を扱っている人向けのプロダクトをより連携させていき、より広範囲に商売のデジタル化を推進していこうとしているという。
「消費者の行動が多様化している今、OMO(オンラインとオフラインの融合)が必要になっています。お客さまの情報や売上などビジネスに関わる情報そのものをすべてワンストップで提供するということが重要だと思っています。そのためにも、今あるネットショップや予約、決済のサービスを一つに集め、プラットフォームとして一元的に管理することが大事です」(倉岡氏)
同社の組織構造は事業部制で、リテール事業、決済事業、予約事業ごとに事業責任者がいて、その下にプロダクトマネージャー(PM)、エンジニア、営業チームなどがある。各事業責任者がそれぞれの事業の責任を取り、シニアPMと連携しながら事業やプロダクトの改善を進めていく。
「事業責任者はアカウント数や売上などの数字を伸ばすことに責任を負う人です。プロダクトだけではなく、ビジネスオペレーションの組み方などにも携わります。一方、プロダクトマネージャーは、プロダクトに責任を持つ人です。事業責任者と連携しながらロードマップを作って、プロダクトを磨き上げてもらうという役割になります」(倉岡氏)
その一方で、横断的なプロダクトマネジメント部門もあり、倉岡氏はその長としてのVPoPを担っている。プロダクトマネジメント部門には、各事業部にひもづいているシニアPMが兼務で所属している。
「今はどちらかというと各事業部のなかで、リテールならリテールだけ、予約なら予約だけを考えてもらってやっています。そうしたなかで横断的なこともやるというのは組織としては結構難しいのです。ただ、プラットフォーム構想があるのでやはり横断的にやっていくことが必要だと思い、その下準備のための組織として2022年1月に作ったのがプロダクトマネジメント部門です」(倉岡氏)
同社が事業部制にしてから7~8か月たつが、「まだまだ伸びる余地はある」と倉岡氏は語る。事業部制にする前はジョブ型に近く、1人が複数の事業の業務を担っていた。すると、1人が担う範囲が多いわりに、各事業の見方が浅くなってしまい、最適なスピードを出せないという問題が起こった。そこで事業部制にして、単独の事業として一番ドライブをかけられる状態にした。
しかし、事業部制だと、プラットフォーム構想を進めるのが二の次になってしまうというデメリットもある。それぞれのバランスを取りながら、今は事業部制にして、中長期的にはプラットフォームの仕組みを作ることを目標に掲げる。
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森 英信(モリ ヒデノブ)
就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし・...
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