プロダクト機能の基礎知識(後編)── 戦略な優先順位付けと、実践的アプローチ
プロダクトマネージャーのグローバルコミュニティ「Mind the Product」から学ぶ実践知 第3回
本連載では、世界中のプロダクトマネージャーがプロダクトの最新情報を学んだりキャリアに関する情報をやりとりしたりするグローバルコミュニティ「Mind the Product」へ寄せられている実践的な知見の中から、オススメのものを翻訳してお届けします。今回は、前回に続き「プロダクト機能(product features)」の知見を実務に活かすためのポイントについて解説します(編集部)。
編集部注
本稿は、日本語で意味が取りやすいように一部表現を調整しています。
- 原文:「What are product features? Definition, examples, and 5 types」 Paul McAvinchey著(Mind the Productのデジタルディレクター)
Mind the ProductのWebページでは、記事以外にもビデオ、ポッドキャスト、推薦図書の紹介といったコンテンツに加え、イベントやトレーニングコースなど、さまざまなプロダクトマネージャー支援のサービスを提供しています。併せて参考にしてみてください。
はじめに
前編では、プロダクト機能(product features)の基本的な定義から、機能性、体験、品質、デザイン、付加価値という5つの主要な機能タイプ、そして実際のプロダクトでの具体例までを見てきました。Wave、Duolingo、Wixの事例から分かるように、優れたプロダクト機能は単なる機能の寄せ集めではなく、ユーザーに本当の価値を届けるものです。後編では、これらの知見を実務に活かすための具体的な方法を紹介していきます。
プロダクト機能に優先順位をつけるための6つのヒント
スタートアップ企業であれ、歴史のある大手企業であれ、次に開発すべきプロダクト機能についての意見やアイデアは常に数多く存在します。提案されたアイデアの価値を最大化するためには、優先順位付けのプロセスを導入することが不可欠です。
ただし、このプロセスは簡単ではありません。なぜなら、多くのステークホルダーが「この機能は本当に収益につながるのか」という確証を求めるからです。そこで、あなたのビジネスに合ったプロダクト機能を選ぶための6つのヒントをご紹介します。

1.ビジネス目標を忘れずに
優れたプロダクトマネージャーは、新機能がプロダクトロードマップと全体的な事業戦略に沿っているかを常に確認します。これは、関係者にプロダクトの方向性を再確認してもらい、全員が同じ認識を持っているかを確かめることを意味します。このように進めることで、良質なプロダクトアイデアを得やすくなり、関係者からの承認も得やすくなります。
2.アイデアを具体的に練り上げる
アイデアを得るための方法はたくさんあります。社内の各部門からの提案、コンセプトテスト、お客さまへのヒアリングなど、手段は多岐にわたります。どのような方法でアイデアを収集するにしても、そのアイデアが明確に説明されていることが大切です。例えば、機能の提案はあるものの、その必要性が説明されていないケースがあります。そのような場合は、その機能がプロダクトにどのような価値をもたらすのかを提案者に確認することで、その機能の真の価値を見極めることができます。
3.重複するアイデアをまとめる
似たようなアイデアは頻繁に提案されるため、アイデアリストをまとめることを検討する場合があります。しかし、この作業は注意深く行う必要があります。アイデアをまとめる際、個々の詳細な要素を失わないように気をつけましょう。最初に核となるアイデアを設定し、その下に関連するアイデアをグループ化していきます。この方法であれば、プロダクト機能の必要性を判断する際に役立つ良いポイントを保持することができます。
4.スコア化する
プロダクト開発において、複数のアイデアが出そろった段階で、それらを体系的に評価していく必要があります。プロダクトマネージャーは、最低でも2つの評価基準を考慮する必要があります。「工数」と「インパクト」です。
例えば、アイデアAは大きなインパクトが期待できるかもしれませんが、コストがかかり過ぎてしまい、アイデアBほど効果的なROI(投資対効果)を得られない可能性があります。プロダクトアイデアのインパクトと工数を十分に理解してランク付けすることで、どのアイデアを採用し、どのアイデアを却下するかの判断がしやすくなります。
スコアリングする時に検討すべき主な項目は以下のとおりです。
- 利益や売上への影響はどの程度か?
- その機能はブランドロイヤリティの向上や新規顧客の獲得につながるか?
- 顧客のニーズに合致しているか?
- この機能を実装するために必要なリソースは何か?
- チームにこの機能を開発するための時間、リソース、能力はあるか?
- この機能を維持するコストはどの程度か?
5.アイデアの選択
スコアリングが完了すると、どの製品機能が会社に最も効果的なインパクトをもたらすかが明確になってきます。特にステークホルダー間でベストなアイデアについての意見が分かれる場合など、時には難しい決断を迫られることもあります。しかし、チームがコンセプトテストを実施し、何を作るべきかを正確に把握できるよう、アイデアを製品機能として推進するという判断を下す必要があります。
6.ステークホルダーへのフィードバック
アイデアを提案した人々は、なぜそれが採用されなかったのかを知りたがります。その理由を説明することは、会社内の透明性を高め、対話を促進するという点で重要です。スコアリングを活用することで、アイデアが却下された理由を説明し、プロダクトのポジショニングと方向性を再確認することができます。

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- この記事の著者
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Paul McAvinchey(Paul McAvinchey)
Mind the Productブランド・コミュニティ・ディレクターMind the Productチームに参画するまでは、世界中のプロダクトコミュニティをオンラインとINDUSTRY: The Product Conferenceでつなぐことを目指すProduct Collectiveの立ち上げに...
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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