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日経リサーチとRelic、AIペルソナで事業アイデアを1ループ1時間で検証する「Idea Echo」を提供開始

ProductZine編集部[著]

 日経リサーチとRelicは、ビジネスパーソンのAIペルソナを相手にユーザーリサーチを行うSaaS「Idea Echo powered by NIKKEI AMP」の提供を10月8日に開始した。

 日経リサーチがAIペルソナの生成基盤「日経AIモニタープラットフォーム(NIKKEI AMP)」と日経ID会員などのアンケートデータを、Relicが5000社超の新規事業開発支援で得た知見とAIプロダクトの開発力を持ち寄った。狙いは、新規事業やサービス企画の担当者が、事業アイデアに対する顧客候補の反応を、謝礼や待ち時間なしに何度でも確かめられる環境をつくること。

説明会に登壇したRelicの永渕貴煕氏(左)と日経リサーチの太田祐介氏(右)
説明会に登壇したRelicの永渕貴煕氏(左)と日経リサーチの太田祐介氏(右)

 両社によると、従来の市場調査は1回あたり数百万円、実施までに2〜3か月かかるのが一般的とされる。BtoBでは業種・職種によって対象者が限られ、信頼できる回答を集めること自体が難しい。

 同日開かれた報道向け説明会で、Relic 執行役員 エッジインキュベーション事業部長の永渕貴煕氏は、担当業務や業種、決裁権限のどれか一つが外れると適切な声にならず、2〜3週間の予定だったリクルーティングが展示会での逆営業やコールドコールにまで延びる実態を挙げた。費用と期間の制約から、顧客に聞けるのは大量に考えたアイデアのうち一握りで、人数も5〜10人程度にとどまる。謝礼を払うインタビューでは相手の忖度が働き、価格の本音も出にくいという。

 AIペルソナを使う理由について、日経リサーチ 経営企画室 R&Dグループ 部長補佐の太田祐介氏は、生成AIは平均的な答えしか返さず、特定の人物になりきらせるには細かな設定が要るうえ、「自分が知らない人は想像できないから、AIに設定できない」と指摘。想像で作った人物とのやり取りは企画の根拠にもならないとして、AIから気づきを得るには、知らないことを含む「多様性」と、実在する根拠を持つ「実在性」を備えたデータが必要だと説明した。

 Idea Echoでは、日経リサーチが保有する実在のビジネスパーソンの業務課題に関するアンケート回答をもとに、条件に合うAIペルソナを生成する。日経ID登録者は30〜50代男性が中心で、従業員1000人以上の企業に勤める人が約5割、役職者が約6割を占める。

 リサーチ機能は「課題評価」「サービス評価」「競合比較」の3種類。1回あたり最大50人分の回答を集計し、課題の深刻度や導入意向、支払い許容額、出現率にもとづく市場規模の試算を示す。各回答には参照した元データの根拠が表示される。

 気になる回答者を選べば、そのまま個別またはグループでのチャットインタビューに移れる。採用する示唆を選ぶと、AIがRelicのノウハウにもとづいて顧客セグメントや機能の変更案を示し、アイデアを書き直す。改善したアイデアを再びリサーチにかけるループを、永渕氏は「自分のデスク上で、1ループ1時間ぐらい」で回せると話した。

サービス評価の回答一覧。回答者を選んでまとめてインタビューできる
サービス評価の回答一覧。回答者を選んでまとめてインタビューできる

 位置づけについて永渕氏は、調査会社のリサーチを「最後の裏付け」、生成AIを仮説立案前の幅広い情報収集に充て、Idea Echoはその間で仮説をファクトにもとづいて磨く段階に使うと整理した。ベータ版のPoCでは、「本命と考えていた用途より別の用途が有望と分かった」「ターゲットセグメントの優先順位が変わった」といった反映例があった。

 利用者からは、人から集めたデータほどの決定的証拠にはならないものの、上長とのコミュニケーションや部内検討の根拠としては十分に信頼できたという声が多かったという。想定以上に好評だったのは示唆をアイデアに反映する補助機能で、示唆が出た段階で検討が止まってしまうことに悩む顧客が多かったと永渕氏は振り返った。

 今後は、Relicの事業アイデア創出AI SaaS「IDEATION Cloud」との機能連携を10月後半をめどに正式発表する予定。アイデア創出から検証・改善、稟議資料の作成までをつなぐ。AIペルソナで当たりを付けたあと、実在の人へのインタビューやアンケートを行う「日経IDダイレクトインタビュー」へ画面上から接続する連携も予定している。詳細はサービスページで案内している。

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