KGI/KPIツリーでの指標管理はもう古い? プロダクトの成長指標「ノーススターメトリック」とは
プロダクト時代の新たな事業成長モデル「Product-Led Growth」入門 第5回
前回までは、PLG(Product-Led Growth:プロダクトレッドグロース)のフレームワークを使って、分析手法や施策の発案を中心に運用方法をご案内してきました。今回は、指標の一つである「ノーススターメトリック:North Star Metric(NSM)」の設計について解説します。
1. ノーススターメトリックとは
ノーススターメトリック/North Star Metric(以下、NSM)とは、ビジネスの成長を目的とした指標設計のフレームワークで、Meta(Facebook)、Uber、Dropboxなどの著名な企業で積極的に採用されています。
近年、その有効性が再認識され、さらに多くの企業で採用され始めたことを契機に、筆者が所属しユーザー行動分析プラットフォームを提供しているAmplitudeでも積極的に啓蒙活動を行っており、NSM教本『ノーススター・プレイブック』を展開したり、世界中でワークショップを開催し、1000以上のサービスでNSM設計を支援したりしています。
また、Amplitude自体もNSMを採用し、自社サービス運用の向上に活用しています。ここでは、Amplitudeが培ったノウハウと共に、NSMの設計手法について解説していきます。
2. 今までの指標設計
一般的には指標設計をする際、まずKGI(重要目標達成指標)を設定します。そのうえで、KGIを支えるKPI(重要事業評価指標)を設計し、KGI/KPIツリーを作成する流れとなります。

多くの企業において、KGIは「売上」になるかと思います。この場合、KPIはKGIである「売上」を因数分解し、「課金ユーザー数」「ARPPU(課金ユーザー1人あたりの平均課金額)」とし、そこから下にひもづける形で「購入率」「アクティブユーザー率」などのより細分化されたKPIを設定していき、以下のようなKGI/KPIツリーを構成します。

しかし、このKPI設計には売上を大きく左右する「ユーザーのプロダクト体験」が加味されていません。「ユーザーのプロダクト体験」の評価が考慮されていないと、プロダクトの成長に適した設計とは言えないため、 従来のKGI/KPIツリーは事業成長の指標としては不十分となります。
そこで、「ユーザーのプロダクト体験」を加味したKGI/KPI設定がNSMです。NSMは「ユーザーのプロダクト体験」 を通じて、売上といったKGIを支える指標となり、この場合KPIはNSMを支える指標として設計されます。このNSMの位置付けをまとめると、以下のようになるでしょう。

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米田 匡克(Amplitude Inc.)(ヨネダ マサカツ)
Amplitude Inc.カントリーマネージャー。 三菱電機株式会社 情報技術総合研究所で技術者としてキャリアをスタート。その後、外資系企業に転職し、Gemstar TV Guide で取締役副社長、Entropic Communications で代表取締役社長、Chartboost、LEANPLUM でカントリーマネージャーとして日本代表を歴任。2019年よりユーザー行動分析から先行指標が求める事ができるプロダクトアナリティクスを提供する Am...
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