M&Aによって得たプロダクトとチームを成長させるリファクタリング
【10-E-5】スタートアッププロダクトのエンジニアリング組織をまるっとリファクタリングする方法
スタートアップ企業や新規プロダクト開発では、市場やユーザーの要望に応えるべくスピードが最優先され、技術的負債を抱えつつも開発が進むという状況は多い。その結果、複雑になったコード、属人化したリリース手順、アップデートが忘れられたライブラリなどシステムに関する問題が山積みになりがちだ。デブサミ2023では、株式会社うるる OurPhoto プロダクト開発部長 プロダクトマネージャーの堂上和那氏が登壇。同社がM&Aによって得た出張撮影マッチングサービス「OurPhoto」を再構築した経験談が披露された。
サービスの課題を抽出、どこから手をつけるかの判断基準を探る
うるる社は社会課題でもある労働力不足を、ITを使ったマッチングシステムで改善を目指す企業。データ化業務の受託やクラウドワーカーを活用するSaaS事業を主としており、2020年12月に新たなサービスとして「OurPhoto」をM&Aで自社サービスの一環として取り入れた。OurPhotoは七五三や結婚式といった個人の撮影ニーズに対し、フリーのフォトグラファーをマッチングするWebサイト。累計撮影実績も8万件を超える人気サービスだ。
プロが撮影する写真は一味違う。これをリーズナブルな価格で手軽に利用できるマッチングサービスはやはり便利である。M&A実施後、うるる社とのシナジーや、事業拡大ができる状態にすべくOurPhotoのシステム統合を図った。しかし、OurPhoto プロダクト開発部長 プロダクトマネージャー 堂上和那氏は「何からやっていけばいいのだろうと、かなり頭を悩ませました」と当時を振り返る。
M&A前のOurPhotoのシステムは5人ほどのエンジニアが担当し、全員が常駐ではなく実際はCTO1人入れて2、3人での運用だった。インフラはMicrosoft Azure上に構築されていたが、構築は外注だったため詳しい人がいない。見てみると、Azureのインスタンス1つの上で動作するなど障害に弱い状態で、PHPのバージョンアップはされていたものの、システム全体の脆弱性の評価などはされていなかった。コードベースでは、1ファイルで1000行を超えるプログラムファイルが多数存在していた。その他、デプロイは自動化されておらず、手作業でデプロイを行なっており、以前のCTOしか分からないなど属人化も問題だった。
それでも前に進まなくてはいけない。堂上氏は、M&A実施後、インフラやプログラム、開発の進め方、誰がエンジニアかなどの詳細を、端から端まで猛烈な勢いで見渡し、2か月間ですべてキャッチアップし計画を練るまでに至る。
目指すべきは「サービス」と「チーム」の拡大への対応
山のような課題を前に、堂上氏は注視すべき場所を2つとした。それはOurPhotoがこれから成長するために重要となる、サービスとチームだ。サービスでは、今後ユーザー数が拡大してもそれに柔軟に耐えられるシステムが必要、チームでは属人化を廃し、可能な限り自動化を目指すこととした。加えてチームの人員が増えても、生産性を落とさない仕組みも忘れないようにした。サービスとチームがスムーズに拡大できるシステムを目指すと、狙いを定めた。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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森 英信(モリ ヒデノブ)
就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし・...
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提供:株式会社うるる
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