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Developers Summit 2023 セッションレポート(AD)

キャリアに悩む開発者へ──いまこそDevSecOpsエンジニアを目指そう!

【9-C-3】開発者のみんな!DevSecOpsエンジニアを目指そうよ!

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 将来のキャリアやステップアップに悩むエンジニアは多い。Developers Summit 2023のセッション「開発者のみんな!DevSecOpsエンジニアを目指そうよ!」では、インフラエンジニアとして活躍する株式会社grasys の松原優氏が、自身のキャリアの歩みについて紹介。現在取り組んでいる業務の魅力や将来像についても言及し、キャリアに悩むエンジニアに1つの指針を示した。

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エンジニアとしての進路に悩み、新しい分野への挑戦を決意する

 株式会社grasysは、企業システムの設計・構築・運用を手掛ける企業。インフラの専門家としてGoogle Cloud、AWS、Azureなどのパブリッククラウドに加え、HashiCorpなどクラウド管理のプラットフォームも活用しながら、最適なシステム環境を提供している。松原氏は、Cloud infrastructure Division Ops Team Leaderという肩書きで、クラウドインフラのエンジニア職に従事している。grasys入社以前は、ゲーム業界でPHPやUnityの開発者をしていた。

 松原氏は、セッションタイトルにもある「DevSecOpsエンジニア」の業務を説明する前に、ソフトウェアプロダクト開発におけるDevOps、DevSecOpsについて説明した。DevOpsは、継続的インテグレーション・デリバリーを指すCI/CDや、Infrastructure as Code(IaC)を使って高い品質を確保しながら、開発・運用の時間を短縮したり、安定化させたりする取り組み。DevSecOpsはDevOpsのワークフローにセキュリティを加えてよりセキュアな環境で開発・運用をするアプローチで、松原氏もインフラエンジニアとして取り組んでいる。

 grasysに入社する前の松原氏の開発経験として、ゲームやWebサイトのバックエンド・フロントエンドがあった。バックエンドではインフラ構築の業務にも携わった。「ローカル環境やリモートの本番環境の構築・運用もしていました。複数台のAPIサーバーやマスター/スレーブ構成のDBサーバーの構築もしました。例えば、ロードバランサーから切り離してデプロイ後にまたロードバランサーに戻す処理のシェルスクリプトや、画像の変換のためにDockerを通して変換・アップロードするスクリプトなどを作っていました。他にも社内のVPNサーバーとかメールサーバーの監視・障害対応もしていました」(松原氏)

grasys入社前の松原氏の開発経験
grasys入社前の松原氏の開発経験

 これらの経験から「バックエンドであればどんなことでもできる」という自信を持っていた。転職を考える際に「今の知識の貯蓄だけで生きていく。もう一つは成長するために新しい分野に挑戦する」という選択を自問自答していった。悩むうちに知り合った別のエンジニアから「新しいフレームワークやゲームエンジンの技術を極めても、自身の成長がない」と考えて、成長できる新しい分野に挑戦することを決断した。

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面倒なことほど、自動化へのモチベーションとなる

 「エンジニアの大半は面倒くさがりだと思います」と松原氏は語る。面倒なことほど自動化させて楽をできるよう工夫するからだ。松原氏自身もデプロイスクリプトや、端末のセットアップなど、自動化に没頭する時期があり、DevOpsやSRE(Site Reliability Engineering)に興味をもつこととなる。

 「調べているうちに、今やりたいことは、DevOpsやSREの業務に近いことがわかり、その方向に舵を切りました。DevOpsエンジニアに必要なものを調べると、開発とインフラの知識というのがよく見られました。開発についてはそれなりにあるのですが、インフラの知識は持っていませんでした。ミドルウェアのセットアップなど、ある程度の知識はあるものの、経験済みとは言えない状態でした」(松原氏)

 そして、転職エージェントの紹介によってgrasysにインフラエンジニアとして入社することとなる。これまでの開発経験も加味され、採用に至った。入社してインフラエンジニアとしての業務を見ると、すでに経験をしていたことが多いことに気づく。

 松原氏は、インフラエンジニアの業務はサーバーとネットワークの2つの領域があると言う。これに加えてオンプレミスとクラウドという環境の違いもある。

オンプレミスとクラウドにおけるインフラ業務の違い
オンプレミスとクラウドにおけるインフラ業務の違い

 オンプレミスならサーバーの調達やOSやミドルウェアのセットアップをし、ネットワーク関連ではルーターの設定を行う。クラウドの場合は機材の調達は必要ないものの、OSやミドルウェアのセットアップは必要。ネットワークはクラウド事業者が担う部分が多いためエンジニアの業務は少ない。このため松原氏は「クラウドの場合、エンジニアは違う方向で領域を広げるべきだと思っています。例えばクラウドのプランやマネージドサービス、サードパーティのサービス・ツールを熟知してより良い組み合わせを提案できる知識が必要と考えます」と説明した。

 grasysでは、開発者が開発しやすい環境を準備することが価値であると考えている。このためCI/CD環境支援や負荷試験の協力、インフラと相性の良いパートナーとの提携をしている。複数のサービスやツールを駆使するインフラエンジニアには、DevOpsの考え方や技術を身につけることが重要となるが、松原氏もそのために学習を始め、休日などの空いた時間はGoogle Cloudのマネージドサービスなどを手当たり次第に触れていったという。

 以前は開発関連のツールやサービスにばかり注目していたが、監視ツールのセットアップやメトリクスの取得・出力、ログのバックアップなどには関心を持っていなかった。新しい領域の技術を深く学んでいくことでセキュリティ技術への興味も芽生えた。開発者の要望もあって、プロビジョニングには「Terraform Cloud」も導入するようになり、セキュリティツールでは「Vault」「Tenable.cs」「Snyk」などの検証も行っている。さらに、同じミスを起こさないような自動化、パッケージ化、IaC活用にも注力しており、DevOpsの取り組みを加速している。

 最近の課題について松原氏は、プロジェクトごとに設定が異なることや、脆弱性検知ツールで検知したあとの対応が確立されていないこと、暗黙知がドキュメントされていないことを挙げ、その改善活動について話した。

 「最近、サービス品質の標準化のために、ドキュメント化したり、プロジェクト共通のTerraformモジュールを作ったり、部署内のルールを作ったりしています。これらの活動もあって、『Google Cloud Partner Advantage プログラム インフラストラクチャのスペシャライゼーション認定』を取得できました。この資格を取るには標準化が大事です」(松原氏)

 さらに今後は、プロビジョニングや構成管理、デプロイ、オーケストレーションなどのITプロセスを自動化する「Ansible(アンシブル)」を使って、運用を一新し「すべてが自動化する未来」を目指しているという。

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キャリアチェンジして、DevOpsエンジニアになることのメリットとは

 さまざまな企業がデジタル変革を求めるなか、クラウド環境の利用が進んでいる。松原氏は、サーバレス技術や各種マネージドサービスなども登場しているので、オンプレミス時代の知識でのインフラエンジニアの価値は下がり、DevOpsエンジニアの需要はますます高まっているとの考えを共有し、そのメリットを述べた。

 「DevOpsエンジニアはインフラエンジニアの上位互換のようになりますので、給与も高くなりやすいです。開発の知識もインフラ知識もあり、自動化などのフローを決めていく力が必要となりますので、システム全体をコーディネートする技術が身につきます。自動化を頑張れば頑張るほど楽になります」(松原氏)

DevOpsエンジニアになるメリット
DevOpsエンジニアになるメリット

 DevOps、DevSecOpsにおいて必要なスキルは、いくつかのプログラミング言語、OS・ネットワーク、IaCツール、CI/CDツール、監視ツール、脆弱性診断ツールなどの知識だ。松原氏も次なるステップとしてGoやPythonなど新しい言語やOSに関する知識を深めたいと考えているとし、最後にDevOpsエンジニアへのロードマップを示したサイト「DevOps Roadmap」を案内し、「DevSecOpsエンジニアを目指してみて」と呼びかけた。

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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