OpenAIが東京で開いた開発者向けイベント「DevDay Exchange Tokyo」。複数の講演を貫くテーマとなったのは、エージェントをどう働かせ続けるかという問いだった。OpenAIが現時点で示す答えは、常時稼働するエージェント「dots」と、人とエージェントが同じページで働く「ChatGPT Space」。Codexのハーネスに組み込まれたコンテキスト圧縮と「/goal」。そして、そのエージェントが外部システムへ手を伸ばす入口であるプラグインだ。
dotsの特徴は「委任可能な射程の長さ」
「東京は世界で最も活気のあるビルダーコミュニティの1つです」。OpenAIでアプリケーション部門のCTOを務めるVijaye Raji氏は、そう言って講演を始めた。
前回のDevDay以降、開発者からは数千件の機能リクエストが同氏の元に寄せられた。LinuxでのCodex利用、同一プロジェクト内での複数フォルダ横断、スマートフォン対応。そのいずれもOpenAIは実現してきた。
そのうえで紹介されたのが、数週間前のDevDayで発表された「dots」だ。必要な時にそこにいて、仕事中であってもなくても一日中機能し、物事を成し遂げるのを助けてくれるAI。dotsは24時間体制で稼働し、やりたくないタスクを引き受ける。
Raji氏がこの機能を「魔法」と表現するのは、頼む前に気づく点にある。先週、税務申告書の不一致をdotsが見つけた。その書類はメールの中にあったが、確認を頼んだわけではない。
スケジュールを確認する、予約を取る、従来のAIエージェントで扱っていた用事はもちろん、Raji氏がdotsの特徴として強調したのは委任の射程だ。Slackチャンネルに届くバグをすべて監視し、その修正まで見つけさせる。アプリケーションの改善点を調査させ、修正し、レビュー用のPRを作成させる。
難しい例として挙がったのが、シャットダウン前のレガシーAPIからの切り離しだ。APIはあらゆる場所で使われ、依存関係がある。dotsはそれをすべてトレースし、変更が必要な箇所を把握し、コードを書き、テストを実行し、修正を検証し、PRを提出する。
dotsを駆動するのは、GPT6-Astraだ。最も強力で最も調整されたモデルだとRaji氏は説明する。dotsは利用者のアクセス権に従い、独自のコンピューターとブラウザーを持つ。また、ChatGPTで使える4000以上のアプリケーションにわたって機能するのだ。
人間とそのエージェントがコラボレーションするためのページ「ChatGPT Space」
dotsは個人に深く結びついている。しかしその一方で、チームと、そのチームのdotsが一緒に働く場所も必要だとRaji氏は指摘する。
「現在出回っているほとんどのソフトウェアは、人間とそのエージェントがコラボレーションするために構築されていません」。そこで導入されたのがChatGPT Spaceだ。
Spaceは1つのページから始まる。計画を書き、調査をし、データを生成する。そこにdotsが並んで入り、コメントでDotをタグ付けすれば作業を始める。ページとファイルはSpaceに共存し、ドライブのように扱える。
Raji氏がSpaceを「まるで生きているよう」と表現するのは、ページに常駐する指示にある。例えば「APIのSlackチャンネルをチェックして、このブリーフィングを最新の状態に保つようにしてほしい」と書いておけば、それ以降ページは必要に応じて更新され、最新に保たれる。
dotsとSpaceは、ChatGPT Pro、Business Premium、Enterpriseに提供される。また、dotsとの会話は利用枠を消費しない。
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中野 佑輔(編集部)(ナカノ ユウスケ)
金融系SIerでの勤務を経て2025年よりCodeZine編集部所属。
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