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Developers CAREER Boost セッションレポート(AD)

技術的負債に直面しているエンジニアへ。返済に向き合い続けて得たものとは

【B-3】技術的負債に向き合い続ける姿勢は、スキル幅の広がりにも繋がる話

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それでもつらい負債返済に押しつぶされないために

 もちろん、技術的負債に向き合うことは「めちゃくちゃ大変だった」と西銘氏が言うように、簡単なことではない。たくさんの機能のコードが混在した神クラスの解体という対応を例に当時の苦労を語る。ファイル内検索で同じ名前の関数や変数が大量にあるなど可読性が低く、影響範囲が非常に大きいその神クラスに、当時の開発メンバーは皆んな頭を悩ませていた。そんな状況を突破したいという一念で、複数の担当チームと古株メンバーに対して慎重に影響調査を実施。影響範囲を抑えるために20回以上に分けてリリース作業を行ったという。このような苦労はあったものの、3カ月かけて神クラスを解体。この負債を返済したことで、神クラスについて頭を悩ますことが無くなった開発部のメンバーから感謝され、非常に盛り上がったという。一つの課題にずっと囚われていた組織、プロダクトが、その課題について語らなくなった現状を見て組織とプロダクトの確かな進歩を感じ、苦労に見合った結果がついてきたという。

 一方で反省点もある。「一人でやっていてつらくなった時があった」と西銘氏は振り返る。ユーザーの価値に直接つながらないため、何のためにやっているのか目的を見失いやすいからだ。その結果、トラブルが起きた時にモチベーションを保つのが難しかったという。そこで得た学びは、「周りを巻き込んでいくこと」と西銘氏は言う。チームで対応すると自分にはないスキルや知見を持った人と働けるため、互いにスキル、知見を深めやすい状況が生まれる。スキルや知見が増えると、プロダクトや組織に還元できることも増える。「もし周りの理解が得られなければ、課題の数値化、言語化から始めてみると良いのでは」とアドバイスする。

 「プロダクトや組織も大事ですが、プロダクトや組織のためにも負債返済で自分がつらくならないようにしましょう」(西銘氏)

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この記事の著者

中村 仁美(ナカムラ ヒトミ)

 大阪府出身。教育大学卒。大学時代は臨床心理学を専攻。大手化学メーカー、日経BP社、ITに特化したコンテンツサービス&プロモーション会社を経て、2002年、フリーランス編集&ライターとして独立。現在はIT、キャリアというテーマを中心に活動中。IT記者会所属。趣味は読書、ドライブ、城探訪(日本の城)。...

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