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Developers Summit 2024 セッションレポート(AD)

弁護士ドットコムが生成AIを次々と本番サービスに投入できる訳とは?

【15-B-8】GenAI in Production~生成AIに君がみた光と、僕がみた希望~

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 2024年2月15日と16日の2日間に渡り、CodeZine編集部主催のイベント「Developers Summit(デブサミ)2024」が開催された。弁護士ドットコム株式会社 執行役員 Professional Tech Lab 所長 兼 クラウドサイン事業本部副本部長 市橋立氏によるセッション「GenAI in Production ~生成AIに君がみた光と、僕がみた希望~」では、弁護士ドットコムが近年力を入れている生成AI関連サービスの開発の背景やその裏側などについて、赤裸々に語ってもらった。

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2016年からすでにAIの活用を模索し続けてきた弁護士ドットコム

 2022年末のChatGPTの登場以来、多くの企業が自社のビジネスに生成AIを活用する道を模索し続けているが、その大半が検証やデモのレベルで終わっており、実業務で活用したり、本番サービスとして正式にリリースしたりするまでには至っていないのが実情だ。

 そんな中、弁護士ドットコムは直近1年間で生成AIを活用したサービスを5つ、矢継ぎ早にリリースしてきた。これらの取り組みをリードしてきたのが、同社が2023年2月に立ち上げた「Professional Tech Lab」と呼ばれるチームだ。社内のエンジニアやリサーチャーに加え、社外の研究機関やベンチャー企業とも広範に連携しつつ、生成AIをはじめとするさまざまな新技術を積極活用したサービス開発に取り組んでいる。

 このチームが新設されたのは、2022年11月にChatGPTが登場してからわずか3か月後のこと。さらにその3か月後の2023年5月には、早くも生成AIを活用した最初のサービスをリリースしている。これだけのスピード感で自社の本番サービスに生成AIを取り込めた理由について、Professional Tech Labの所長を務める市橋氏は「これまでの長年に亘るAIへの取り組みの成果だ」と述べる。

 「弊社はChatGPTの登場をきっかけに生成AIに取り組み始めたわけではなく、すでに2016年ごろからAIの活用に本格的に取り組んでいました。当時は主にIBM Watsonを使ってユーザーの法律相談に答える仕組みを研究していて、ハッカソンで最優秀賞を獲得したこともありました」

 同社が提供する「みんなの法律相談」は、ユーザーから寄せられた法律相談に弁護士が回答するサービスだが、サービス開始当初から「ユーザーに法律知識がないと、そもそも『正しい質問』ができない」という課題に直面していた。そこで同社では、AIを使ってこの課題を解決する道を長年に亘って研究してきたという。

ユーザーは法律知識がないとそもそも正しく質問できない
ユーザーは法律知識がないとそもそも正しく質問できない

 この課題を解決するためのまさに突破口になったのが、ChatGPTだった。

 「GPTに関してはGPT3のころから注目していて、これが今後発展していった暁には弊社のサービスと組み合わせて新たな価値を生み出せるはずだと弊社の社長もにらんでおり、AI活用を重要な経営指針の一つに掲げていました。そんな折にChatGPTが登場したため、すぐに社長直轄の組織としてProfessional Tech Labを立ち上げて、生成AIの活用に本腰を入れることになりました」

 このように経営がAI活用の明確な意思を持っていたこと、「AIありき」ではなくAIを活用して解決したい課題があったこと、そして社長直轄の組織を立ち上げて事業部の垣根を越えた全社横断の体制を構築できたことが、同社がスピード感をもって生成AI活用に取り組めた秘訣だったという。

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「RAG」を使って法律関連のドメイン知識をプロンプトに取り込む

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この記事の著者

吉村 哲樹(ヨシムラ テツキ)

早稲田大学政治経済学部卒業後、メーカー系システムインテグレーターにてソフトウェア開発に従事。その後、外資系ソフトウェアベンダーでコンサルタント、IT系Webメディアで編集者を務めた後、現在はフリーライターとして活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

丸毛 透(マルモ トオル)

インタビュー(人物)、ポートレート、商品撮影、料理写真をWeb雑誌中心に活動。

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https://codezine.jp/article/detail/19135 2024/03/12 12:00

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