行政システムのトランスフォーメーションを牽引するデジタル庁。その基盤となる「ガバメントクラウド」において、Oracle Cloud Infrastructure(以下、OCI)の利用が地方自治体を中心に拡大している。しかし、数百に上る団体への環境払い出しを手作業で行うことには限界があり、迅速性や安全性の担保が急務となっていた。本記事では、Oracle Developer Day 2026でデジタル庁の町田氏が発表したセッションを基に、ガバメントクラウドが抱えていた課題と、それらを解決に導いた「OCI環境払い出し自動化」の取り組みを紹介する。
クラウド環境の払い出しに残っていた「手作業」、リードタイムは最長1週間にも
デジタル庁が推進するガバメントクラウドは、高い技術要件を満たした民間のパブリッククラウドに、同庁が設計したモダンなガバナンス機能を付与し、中央省庁や地方公共団体に提供する共通基盤だ。
目指しているのは、迅速で柔軟、かつセキュアでコスト効率の高いシステムの実現。現在、指定されている5つのクラウドサービスプロバイダーのなかで、地方公共団体での利用数がAWSに次いで2番目に多いのがOCIだ。共同利用方式の特性を活かし、テナンシーを分けずに複数の団体で利用するOCIの環境が活用されている。
地方公共団体のガバメントクラウド利用においてOCIは2番目に多い
しかし、利用団体の増加に伴い、ボトルネックが浮き彫りになりつつあった。それは、新たなクラウド環境を利用者に提供する、払い出し作業の煩雑さだ。町田氏は、手作業でアカウントを発行するまでのフローを紹介。ガバメントクラウド利用者とデジタル庁、OCIとの間で、何往復にもわたるメールのやり取りが発生していた。
利用者、デジタル庁、OCIの間で頻繁なメールのやり取りが発生
申請から環境の引き渡しまで、実に数日から一週間以上もの時間がかかる状況に対し、町田氏は「リードタイムが長くなり、ヒューマンエラーのリスクもあり、標準化が欠如する。それゆえに運用負荷が高くなるという弊害は、ガバメントクラウドが目指すことの真逆になってしまう」と強い危機感を募らせていた。そこで、デジタル庁は払い出し環境の自動化に着手することになる。
会員登録無料すると、続きをお読みいただけます
この記事は参考になりましたか?
- この記事の著者
-
中野 佑輔(編集部)(ナカノ ユウスケ)
金融系SIerでの勤務を経て2025年よりCodeZine編集部所属。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア
