東京都が抱える業務システムをクラウドで支える! セキュリティと利便性のジレンマにどう挑んだか
【17-B-3】行政の共通クラウド基盤に見る統制と利便性の両立への挑戦
東京都の業務システムがクラウドへ転換される中、その基盤を支えるGovTech東京は、セキュリティ基準を満たしながらクラウドの利便性をどう引き出すかという課題に直面した。「統制を作れば解決する」と考えていたが、実際には利用部門ごとの要件の違いとどう向き合うか、試行錯誤の日々だった。GovTech東京 デジタル基盤グループ長の宮本達史氏が、行政クラウドの統制設計における試行錯誤と、そこから得た学びやしくじりも含めて紹介する。
都民の生活を支える業務システムをオンプレミスからクラウドへ
GovTech東京は東京都デジタルサービス局と協働し、都政のデジタルサービスを支える基盤を提供している。宮本氏は民間出身で、デジタル基盤グループ長としてこの基盤を統括している。同氏はまず、東京都が持つフィールドの規模感を示す数字を挙げた。人口1400万人、日本全体の約11%を占める都民に対して行政サービスを提供するためのシステムが、この共通クラウド基盤の上で稼働している。これらを支える基盤は、SLA 99.9%の可用性を維持している。
都庁の業務システムの多くはオンプレミスで個別に構築されてきたが、2023年1月、都はこれをクラウドへ転換する検討を開始した。同年7月には「クラウド転換の基本方針Ver1.0」を策定し、共通のクラウド基盤「東京都クラウドインフラ」を整備する方針を固めた。この基盤を担うのが、宮本氏の率いるデジタル基盤グループだ。組織は基盤を作る「構築」、24時間365日の監視・運用とコスト最適化を担う「運用改善」、業務システムのクラウド移行を技術支援する「伴走支援(オンボーディング支援)」の3チームで構成され、この事業を進めている。
宮本氏はこの事業の性質を、万博会場の建設になぞらえて説明する。約1年前に各業務システムが予算要求と利用計画を立て、設計・構築・テスト・移行を経て本番運用に入る。ゲートのアクセス管理、通信ネットワーク、セキュリティ、監視・運用、時刻同期・名前解決といった基盤サービスを、全システムに横串で提供する機能として一つずつ積み上げてきたという。
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DeveloperZine編集部(デベロッパージン編集部)
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