不確実性が高く、見通しが立たない開発現場を突き動かす力とは?
データエンジニアとしてキャリアをスタートさせ、生成AIの研究開発を経て、現在はCTO直轄の新製品開発チームを率いる川口媛香氏。さまざまな分野のエキスパート5名、若手社員4名という多様なバックグラウンドを持つメンバーの先頭に立っている。
本セッションの出発点となったのは、男性の上司からかけられた「女性のいるチームはすごく強くなるんだよ」という言葉だった。仕事において性別の違いを特に意識してこなかった川口氏は、その言葉の真意を掘り下げ、整理していく中で、上司が語る特性の本質へと行き着く。
それは「答えのないものにも方向性を出せること」、そして「目的に共感して力を発揮できること」の2点だった。この特性は、現代のソフトウェア開発において最も重要とされる「不確実な状況でも決断できる力」と「背景と意味を追求できる力」という、チームの重要な価値へとマッピングできる。川口氏は、これらが決して特定の性別だけに閉じられたものではなく、性別や年齢、キャリアを問わず、開発現場の停滞を打破し、チームを動かすために不可欠な力であると確信した。
これまで歩んできた道の中で、意思決定に迷い立ち止まりそうなとき、常に大きな方向性を示してチームを引っ張ってくれたのは先輩たちの存在だった。不安を感じたとき、いつでも相談に乗ってくれた先輩たちの背中を見て育った川口氏は、今度は自分がリーダーとして、その役割をメンバーに還元することを決意する。
では、不確実性が高く、外部環境が目まぐるしく変わる開発現場において、川口氏はどのようにしてチームを動かしていったのだろうか。

