本来の目的から逆算するゴール・ドリブン思考が、仕事のやりがいにつながる
川口氏が大切にしている3つ目のアクションが「タスク完了で終わらせないゴール・ドリブン思考」だ。「言われたタスクを終わらせること」そのものが目的化してしまうのはありがちな問題であり、川口氏は、本来の目的(ゴール)を達成するために何が必要かを常に逆算して考え、自ら進んで必要な仕事を作り出す重要性を指摘する。
例えば、業務で「全社員に大事な情報を知ってもらう」というミッションが与えられた際、単に社内報に記事を1本投稿して終わらせるのではゴール・ドリブンとは言えない。本当に全社員に届けるというゴールを見据えるならば、業務的なお知らせにするのではなく、目を引く内容に工夫し、社内報やSlackが最も見られる時間帯をねらって投稿するといった、泥臭いまでのこだわりが必要になる。こうした小さな工夫を愚直に積み重ねた結果、川口氏が執筆した記事は社内で最も多い閲覧数を得ることができた。
「なぜやるのかという背景や意味に納得することが主体性を生み、それまで見えていなかった仕事が見えるようになります」と川口氏。与えられたタスクをただこなすだけの毎日は退屈だが、ゴールを主軸に自らタスクを生み出し、それを解決していくプロセスこそが、仕事の楽しさを本質的に引き出す原動力となる。
そして成果というものは、決して単一の作業からは生まれない。あらゆる要素が複雑に影響し合って初めて実を結ぶからこそ、「今やっているすべての作業が、将来の何かに必ずつながっている」という意識を持つことが、キャリアをより豊かで確かなものへと変えていく。
このセクションで川口氏は、「ゴールについて考えること」の大切さをまとめとして提示した。「今やっている作業を終わらせるだけで本当にゴールにつながるのか」。一度立ち止まって考え、さまざまな人と意見交換することが仕事の閉塞感を打破するきっかけになるだろう。
明日からできるアクションがチームと未来を変えていく
日々の業務が忙しく、上司やメンバーとのコミュニケーションに課題を感じ、待ち時間の多さに不満を抱く現場は少なくない。しかし、川口氏は「自分1人で周囲のすべてを変えることは難しくても、まずは自分自身が変わり、アクションし続けることが大切です」と訴える。そして、最後に改めて「不確実な状況でも決断できる力と、背景と意味に納得する力こそが、チームを動かすパワーになるはずです」とまとめて、セッションを締めくくった。
明日からの開発現場で実践できる第一歩は目の前にある。通知が来たら、まずは「確認します」といったリアクションをすぐに返すこと。周囲のメンバーの素晴らしい行動に対して「いいね!」と声をかけ、自らもそれを真似してみること。精度に執着せず、まずはスピードを上げて行動を起こすこと。本セッション示された具体的なアクションとマインドセットは、日々の業務やチームマネジメントに課題を抱えるエンジニアにとって、明日から実践できる有益なアプローチとなるはずだ。
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