HTMLコンテンツへのアクセス、約6割がボットに
Cloudflareは2026年8月27日、AIエージェント時代における新製品に関する記者説明会を東京・京橋で開催した。同じ会場で開かれた年次イベント「Immerse Tokyo 2026」に合わせたもので、クラウドフレア・ジャパン フィールドCTOの乙部幸一朗氏が「エージェンティックインターネットの幕開け」と題して新製品群を説明した。
冒頭、クラウドフレア・ジャパン 日本地域統括バイスプレジデント兼日本代表の松本紗代子氏が日本での事業状況を説明した。「今年の頭は『AIはトライアルではなく本番活用ですよ』という話をしていた。しかし直近は、もう使うことが前提で、ガバナンスをどう効かせるかというところに会話の軸が移ってきている」(松本氏)
続いて登壇した乙部氏は、AIの普及速度を示すデータから説明を始めた。利用ユーザーが1億人に到達するまでの期間は、インターネットが14年、スマートフォンが6年かかったのに対し、生成AIは約2.5年だという。Cloudflareはインターネット上のWebサイトの約20%以上を自社インフラ上で処理しており、その通信トレンドを「Cloudflare Radar」で公開している。同社の観測では、人間向けに書かれたHTMLコンテンツへのアクセスは現在、人間よりボットのほうが多く、約6割がボットだ。
ボットアクセスの6割という数字は、過去1年で急増したものだと乙部氏は説明した。要因はAIエージェントによる通信で、2025年6月から2026年5月末までの約1年間で約1,700%以上増加している。新規に登場するWebサイト数も前年比で約34%、新しいiOSアプリは68%、GitHubのプルリクエストは153%増えた。「従来の人の一般的な自然増では考えられない急増だ」(乙部氏)
人間のトラフィックは業種を問わず減少
一方、人間のトラフィックは減少している。乙部氏によると、主要なメディアサイトでは過去2年ほどで平均して4割から6割、影響の大きいサイトでは8割以上減少した。
減少はメディアや新聞業界に限らない。小売、コンピュータソフトウェア、ITおよびサービス、金融サービスでも、人間からのトラフィック量は35〜40%減っている。「インターネットの中でも人が行う通信がAIの浸透によってすごく少なくなってきていて、その分がAIを活用する時間に回っている」(乙部氏)
乙部氏は検索モデルの変化も指摘した。従来の検索は、人がアクセスしたページのランキングで順位を決め、上位サイトと関連する広告バナーを目につきやすい位置に配置していた。エージェントはこうした画面を見ず、バナーもクリックしない。検索モデル、検索結果に表示されるWeb、そこから得られていた広告収入モデルがいずれも変化するとの見方を示した。
ただし同社は、すべてがエージェント専用になるとは見ていない。人間もインターネットを使い続けるため、双方に対応できる基盤が必要になるという。乙部氏は必要な要素を、エージェントが動作するためのインフラと、エージェントがアクセスするコンテンツの2つに整理した。
