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Developers Summit 2023 セッションレポート(AD)

成果を出せるITエンジニアを目指すなら「速く量をこなし、そして挑戦せよ」

【10-C-8】『ボケて』『eventos』の開発者と考える「バズるサービスを生み出し、エンジニアとして突き抜けるには」

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 経済産業省が2030年までに最大79万人のIT人材不足を公表する中、クラウド、モビリティ、ビッグデータ、IoT、AIといった分野への投資は同年まで10%近い伸びが続くという予想もある。IT人材は売り手市場にあり、エンジニアを目指す学生、若い社会人は多い。では結果を出せるITエンジニアになるにはどうしたら良いか。700万ダウンロードのアプリを開発するエンジニアと、エンジニア創出に取り組む企業のキーパーソンによる対談に、そのヒントを探った。

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「バズる」サービスの着想や実装、その育て方とは

 対談は「ボケて(bokete)」「eventos」「Live!アンケート」など、人気モバイルアプリをリリースし続けるbravesoft株式会社の代表取締役CEO 菅澤英司氏に、エンジニアを目指す秘訣を、 AKKODiSコンサルティング株式会社の常務執行役員 兼 CTOテクノロジー統括 前田拓宏氏と、キャリアリクルーティング第1部 部長 國司壮太郎氏が問う形で開始された。

bravesoft株式会社 代表取締役CEO 菅澤英司氏
bravesoft株式会社 代表取締役CEO 菅澤英司氏

 「ボケて(bokete)」は、画像に対してユーザーがボケを投稿するエンターテインメントアプリ。700万ダウンロードを達成し、ボケの総数は1億を超える。「eventos(イベントス)」は、ノーコードでイベント用サイトが作れる。東京ゲームショウや東京ガールズコレクションなど、7000件以上のイベントで利用され、2022年にはグッドデザイン賞を受賞している。「Live!アンケート」は、その場で投票や質疑応答ができるアプリで、3年間で1万社、400万人が利用している。

 

多くの人に愛されるエンターテインメントアプリとなった「ボケて(bokete)」
多くの人に愛されるエンターテインメントアプリとなった「ボケて(bokete)」

 AKKODiSコンサルティングの國司氏は菅澤氏に、バズる(=話題・人気となる)サービスを生み出す秘訣を聞いた。菅澤氏は「Live!アンケート」誕生の背景を語り、「社内で、『こんなのあったら面白いね』という話から、あるエンジニアがプロトタイプを作ってきたんです。それを触ったら『いいな』という声が多く、早速、企画とデザインを行い、3か月でリリースしました」と、企画からリリースまでの流れを説明し、「ウチらしいです」とも述べた。

 菅澤氏が手掛けるアプリは、まとまった企画書から生まれるものばかりではない。最初はコンセプトや核となる部分が分かる簡単な資料を用意し、その後は「みんなで『これ作りたいよね』といったら、バアっとそこに皆が走っていって作り込んでいくということが多い」と菅澤氏は説明した。

 bravesoftにはこのように「作って、使って」という文化がある。実際、社内ツールなども社内エンジニアが作ってメンバーが使って改善していく。同社受付のiPadアプリは菅澤氏のお手製だ。國司氏は、このような創作を許容する文化は大事だとし「作って皆で使うのは、それだけでも楽しい」と賛意を示した。

 bravesoftは創作活動に対して表彰したり、社内でたくさん利用された場合は、頻度に合わせたボーナス支給などを行ったりしている。生み出した価値に対価を支払うのだ。もちろん「作ってみたけれど、いまいち。ボツになったものもある」と菅澤氏は加え、全部が全部うまくいったわけではない点をつけ加えた。

 AKKODiSコンサルティングの前田氏も、創作の文化や報償への配慮はエンジニアを育成する環境では大事だと語る。AKKODiSコンサルティングは、エンジニア創出のために2023年春に「AKKODiS innovation Lab」という設備の設立を予定しており、そこではエンジニアがユーザーも含めて対話しながら、いろいろなサービスや製品が作れる環境を目指している。前田氏はその責任者であり、今回の対談もこのAKKODiS innovation Labに役立てたいとしている。

 なお、「ボケて(bokete)」は、bravesoftだけでなく他2社との合同プロダクトである。当初はWebサービスとして立ち上げたところにbravesoftがアプリ化を提案、テレビ局在籍だった知り合いを巻き込み、エンターテインメント性を磨いて市場に投入したのだ。「ボケて(bokete)」は話題となり年々ダウンロード数を重ねていった。

 菅澤氏は「自社だけでは限界は絶対ある。だから、いろんな人たちといろいろ作っていきたい。バックグラウンドが違うと面白いアイデアが出ます」と振り返った。成功にはさまざまな視点や意見も必要だ。

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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

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森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし・...

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