SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine(コードジン) ProductZine

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

Developers Summit 2026 Summer セッションレポート(AD)

炎上を防ぐ「妥協なきAI」はいかに生まれたか? 受託開発のROIを最大化する、AI伴走プロジェクトの裏側

【17-A-8】生成AIのROI(投資対効果)を最大化せよ!提案から運用まで一気通貫で伴走するAI協働の現在地

 生成AIの業務活用が進む中、多くの企業が直面しているのが「局所的な業務効率化にとどまり、投資対効果(ROI)が見合わない」という課題だ。システム受託開発事業を展開するセゾンテクノロジーも、かつては同様の壁にぶつかっていた。そこで、同社のアカウントディベロップメント事業部 テクノロジーデザイン部 部長を務める河原愼吾氏は、AI活用を「点の成果」から「業務プロセス全体の伴走」へとシフトさせた新プロジェクト「コラボワークAI」の取り組みを開始。実践を経て見えてきたAI活用における課題と、コラボワークAIの取り組みの全容、ROI最大化に必要だった三つの視点について解説した。

受託開発におけるAI活用の実践。見えてきた課題

 セゾンテクノロジーは、HULFTやHULFT Squareといった主力製品を中心に展開するHULFT事業、それらの製品を活用したデータプラットフォーム事業、そしてシステム受託開発事業の3本柱でビジネスを展開している企業だ。

 社内のAI活用については、全社標準のチャットボット「Agent Orchestration」を展開しているほか、社内ガイドラインの整理や便利なプロンプトの共有、研究成果の社内展開、定期的な勉強会の実施など、全社的なリテラシー向上に積極的に取り組んできた。

株式会社セゾンテクノロジー アカウントディベロップメント事業部 テクノロジーデザイン部 部長 河原 愼吾氏
株式会社セゾンテクノロジー アカウントディベロップメント事業部 テクノロジーデザイン部 部長 河原 愼吾氏

 そんな中、河原氏が普段業務の主軸としているシステム受託事業においては、昨年度に2つのAIツールを開発し、全社に展開したという。「プロジェクトアシスタントAI」と「タレントナビゲーターAI」である。

 1つ目の「プロジェクトアシスタントAI」は、プロジェクトマネージャーの業務を支援する仕組みだ。ZoomやTeamsなどのツールから取得した会議の音声・録画データをストレージに格納し、AIが議事録を要約して生成する。

 これは、単なる文字起こしにとどまらず、会議内でタスクが本当に合意できたのかの確認や、プロジェクトにおけるリスクの分析を実施。さらに、プロジェクトマネージャー(以下、PM)やその上長への通知まで行うという。

 河原氏は「このツールにより、議事録作成にかかる時間や、PMがプロジェクト報告をする時間をそれぞれ42%削減することに成功した」と成果を語る。また、情報の透明化やタスク管理の厳格化、リスクの早期検知といった定性的な成果も上げることができたと話した。

 一方で、「タレントナビゲーターAI」は課題を残した取り組みとなった。毎年全社員に対して実施しているスキルサーベイのデータや過去の案件対応の履歴をデータベース化し、最適なプロジェクト体制をAIが提案する仕組み。例えば「分散処理技術に特化したエンジニアを2名探している」と質問を投げかけると、該当する社内メンバーを抽出してくれるといった流れだ。

 このシステムは、残念ながら社員の70%近くが利用していない状態に陥ってしまった。理由をヒアリングしたところ「そもそも利用シーンがない」「AIを活用しない方がアサインの精度が高い」といった厳しい声が寄せられたという。

 「プロジェクトアシスタントAIによって議事録作成やリスク分析における一定の工数削減はできたものの、業務プロセス全体で見れば限定的な効果でした。タレントナビゲーターAIに至っては使われておらず、結果としてROIが高いとは言えない状態だったのです」と河原氏は昨年度の取り組みを総括する。

次のページ
プロジェクト全体にAIが伴走する「コラボワークAI」

この記事は参考になりましたか?

Developers Summit 2026 Summer セッションレポート連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

岡田 果子(オカダ カコ)

 IT系編集者、ライター。趣味・実用書の編集を経てWebメディアへ。その後キャリアインタビューなどのライティング業務を開始。執筆可能ジャンルは、開発手法・組織、プロダクト作り、教育ICT、その他ビジネス。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

丸毛 透(マルモ トオル)

インタビュー(人物)、ポートレート、商品撮影、料理写真をWeb雑誌中心に活動。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

DeveloperZine編集部(デベロッパージン編集部)

DeveloperZineは、株式会社翔泳社が運営する、技術と組織の意思決定を支える情報メディアです。技術選定やチームづくりに向き合い、自分の判断を確かなものとしたいエンジニアやエンジニアリングリーダーに向けて、翔泳社主催エンジニアイベント「Developers Summit」とも連動しながら実践知...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社セゾンテクノロジー

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/29185 2026/09/08 12:00

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー