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Developers Summit 2026 KANSAI セッションレポート(AD)

AIエージェント利用率100%のチームでも、生産性は1.1倍止まり──見えてきた本当のボトルネックとは

【A-2】AIエージェント利用率100%。生産性10倍、のはずだった……チームの実測1.1倍から考える、これからのエンジニアが目を向けるべきこと

 AIエージェントを導入したものの、チームの生産性が上がったと感じない──そのような人は多いのではないだろうか。NECソリューションイノベータの奥村泰弘氏も、チームにおけるAIエージェントの利用率が100%となり、メンバーもそれぞれ3~5倍の生産性向上を体感した一方で、チーム全体での成果を実測すると1.1倍にとどまるという壁に直面した。そこで奥村氏はチームの速さを「個人の速さ」「速さが効く範囲」「フロー効率」の3要素に分解し、生産性向上を阻む最大のボトルネックを見極めることにした。「Developers Summit 2026 KANSAI」のセッションでは、そこから見えてきた仮説と、問題を解消するための取り組みが語られた。

個人の生産性向上がチーム成果につながらない現実

 「今日は『AIエージェントの利用率が100%であれば、生産性は10倍』のはずだったのに、チームの実測を見たときにどうだったか……という話をします」。奥村氏はセッションの冒頭にそう述べ、AIを活用した際の生産性向上に関する質問を、会場の参加者に投げかけた。すると、個人の業務が速くなったという人は多数いたものの、チーム全体として速くなった実感がある人はぐっと減る結果となった。このギャップこそが、本セッション全体のテーマだ。

NECソリューションイノベータ株式会社 ソリューションサービス事業ライン PFSI事業部門 デジタルPF統括部 奥村 泰弘氏
NECソリューションイノベータ株式会社 ソリューションサービス事業ライン PFSI事業部門 デジタルPF統括部 奥村 泰弘氏

 奥村氏はAI-DLC推進プロジェクトでアーキチームのプロダクトオーナーを務める。ミッションクリティカルな基盤を担当する14名のチームで、AWSのAIエージェント型IDE「Kiro」を採用し、その利用率は100%だ。

 だが、AI導入の道のりは決して楽ではなかった。ツールの選定やガバナンス設計などの環境整備(フェーズ1)、勉強会や啓蒙活動による利用率向上(フェーズ2)を経て、ようやくチーム全体が日常的にAIを使用し、効果を実感する状態(フェーズ3)にたどり着いた。その結果、個人の体感では生産性が3~5倍になるという、大きな成果を生み出した。一方で、奥村氏はチームでの生産性についても計測。すると、実測値でたった1.1倍という、わずかな向上しかみられない結果となったのだ。

個人の体感で3~5倍になった生産性だが、チームでの実測値は1.1倍という結果に
個人の体感で3~5倍になった生産性だが、チームでの実測値は1.1倍という結果に

 この結果について、奥村氏は「1.1倍は『遅い』のではなく『漏れている』のシグナル」と表現。個人の改善が全体最適に変換されていない、構造的な歪みを示すシグナルとして受け取るべきという意味だ。

 そのギャップを整理するために、奥村氏はチームの速度を3つの要素に分解し、「パイプを通るボール」に例えて示した。チーム全体のアウトプット量(ボールの量)は、「ボールの速度(個人の速さ)」「パイプの太さ(速さが効く範囲)」「パイプの長さ(フロー効率)」の3要素で決まる。AIの導入によってボールの速度は確実に上がった。しかしパイプの太さ、つまりすべての業務タスクに対して同じようにAIの効果が出ているかはまた別の話だ。加えて、パイプの長さ、つまり速くなった分だけ次の工程までの「待ち」が新たに生まれている可能性を指摘する。「ボトルネック以外の部分を速くしても全体の処理スピードは変わらない」という発想を、AI活用の文脈に持ち込んだ。

AIの活用で個人の速さは向上
AIの活用で個人の速さは向上

 その上で、奥村氏は自分以外のチームメンバー13名全員にアンケートを実施した。1つ目の質問はAIが効果を発揮する作業での生産性倍率、2つ目の質問はAIを使っても生産性が変わらない・むしろ低下する作業での変化の度合い、3つ目の質問はAI利用できている作業の割合だ。そして、アンケートの結果が示したのは「100%の利用率」という言葉だけでは見えない現実だった。

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「全員が使う」と「広く使う」は違う

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DeveloperZine編集部(デベロッパージン編集部)

DeveloperZineは、株式会社翔泳社が運営する、技術と組織の意思決定を支える情報メディアです。技術選定やチームづくりに向き合い、自分の判断を確かなものとしたいエンジニアやエンジニアリングリーダーに向けて、翔泳社主催エンジニアイベント「Developers Summit」とも連動しながら実践知...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

岩本 隆之(イワモト タカユキ)

 1986年 兵庫県神崎郡出身 2009年 関西大学卒業 学生時代より写真・映像制作を行う。 写真撮影スタジオ勤務ののち、2020年独立。 現在は大阪市在住。 広告写真を中心としながら、ジャンルを問わず活動中。 HP Instagram

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提供:NECソリューションイノベータ株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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