AI駆動開発による工数削減効果と「10の構造変化」
トランスコスモス社内でのWaterfall Boostを利用した開発では、2000万円から3000万円規模のミドルサイズシステムにおいて、最大で約51%(51.02%)の工数削減率を達成した。技術スタックが複雑な難易度の高い案件であっても、約30%(30.76%)の工数削減が実証されている。
所氏は「ニュースなどで『10分の1に削減された』という事例と比較すると、30%〜50%という数字は控えめに見えるかもしれない。しかし、他手法で30%の工数を削減することは容易ではない。上流工程の経験が浅いエンジニアでも品質を担保しながらAI駆動開発を実践できる点を含め、非常に優れた成果である」と述べる。
さらに所氏は、工数削減の裏で開発現場の本質的な「10の構造変化」が起きていると警鐘を鳴らす。変化を正しく認識できなければ、AI駆動開発の真価を引き出すことはできない。
セッションの最後に同氏は「工数削減の裏で起きている構造変化を認識しなければ、人月単価の崩壊に巻き込まれ、業界全体が困窮してしまう」と懸念を示した。
AI駆動開発によって工数が削減されたからといって、従来のビジネスモデルのまま単価を切り下げるのは本末転倒である。所氏は「短期間で顧客へ成果物を提供できるようになったこと自体が最大の価値である。価値を正しく顧客へ伝え、適切な単価を請求できるビジネスモデルへの転換が必要だ」と語り、業界全体の意識改革を呼びかけた。
トランスコスモス・デジタル・テクノロジーでは今後、自社開発にとどまらず、事業会社の内製開発チームやプロダクトマネージャー(PM)、さらには同業のSIerに対してもWaterfall Boost環境を提供していく計画である。品質、ガバナンス、開発標準化をシステムレベルで担保する同取り組みは、これからのエンタープライズ開発を変革する強力なモデルケースとなるだろう。
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