社会が大きく変わったことをきっかけに、民間企業に籍を置きつつ高専の教員へ
──まず、竹迫さんのこれまでのエンジニアとしてのキャリアと、教育に関わるようになったきっかけをお聞かせください。
私は学生時代、日本語検索エンジン「Namazu」のWindows版をオープンソース開発しており、インターネット上で顔も合わせたことがないメンバーと開発を進めていました。その中で外部の善意のハッカーの方から脆弱性を指摘され、緊急で修正対応を行った経験がセキュリティ分野へ深く関わる原点となりました。その後、IPAが主催する「セキュリティ・キャンプ」の講師に誘われたことをきっかけに、教育活動へ携わるようになって今年でちょうど20年になります。
ソフトウェアエンジニアとしては大学卒業後、ドリーム・アーツ、サイボウズ・ラボと、いくつかの企業を経て、現在は株式会社リクルートに所属しています。リクルートに入社してからは約11年間、社員自らが課題を見つけて改善を続ける内製開発エンジニア組織の体制強化を推進してきました。エンジニアやデザイナーの採用や育成のほか、新しい人事制度を作ったり、組織マネージメントの管理職をしたり、R&Dや産学連携活動、新規事業開発、事業責任者などさまざまな立場の仕事をさせてもらっています。
──現在はリクルートに籍を置きつつ、週の半分は徳島県の神山まるごと高専で教員として活動されていると伺いました。なぜ本格的に教育に携ろうと思ったのですか。
「ChatGPT」が登場した際、「これからAIが社会を大きく変える」と強く感じました。コロナ禍によるリモートワークの普及もあり、「自分が今後どこに腰を据えてどのような仕事をするべきか」を数年間模索していたんです。
そんなとき、さくらインターネットの代表取締役社長である田中邦裕さんから「神山まるごと高専でテクノロジー教育を強化したいから手伝ってほしい」とお声がけいただきました。実際に神山町を訪れてみると大変素晴らしい環境で、高専での仕事が正式に決まる前に移住を決意しました。現在は、全寮制の神山まるごと高専で週6コマ授業を行い、残りの週半分はリモートワーク中心でリクルートの業務を行っています。
