SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine(コードジン) ProductZine

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

DeveloperZineニュース

熟練PMの「勘所」をAIで再現、報告書や設計書からリスクの兆候と改善策を提示する「PromanAIde」

 NTTテクノクロスは10月8日、報道関係者向けの新製品発表会を開催し、ソフトウェア開発プロジェクトの分析ソリューション「PromanAIde(プロマネイド)」の提供開始を発表した。報告書や設計書などの既存資料をAIがそのまま読み込み、遅延・品質低下のリスク兆候と改善策を示す。同社の試算では、PMO(Project Management Office)が状況確認に費やす工数を約60%削減できるという。

報告と確認の負荷で、判断の時間が削られる

 同社 取締役 クロスプラットフォーム事業部 事業部長の小西史和氏は、企業が直面するプロジェクトマネジメントの課題を次のように整理した。現場にはさまざまな情報が集まっているが、「経営の観点では、情報そのものを知りたいわけではありません。そこから示される将来の課題の予兆のような、具体的な指標を知りたいのです」。しかし、プロジェクトの数や情報量が増えるほど、判断に必要な意味は捉えにくくなる。

 小西氏は、この見えにくさが「守り」と「攻め」の両面に影響すると指摘する。兆候を事前に察知できなければ、遅延や品質問題への対応が遅れ、顧客や関連部門にも影響が出てしまう。一方で、状況の確認や情報の読み解きに大きな負荷がかかり、本来注力すべき判断や遅延対応の時間が削られる。そのため、プロジェクトの実行を支えるPMOそのものの進化が必要だと小西氏は述べた。

NTTテクノクロス株式会社 取締役 クロスプラットフォーム事業部 事業部長 小西史和氏
NTTテクノクロス株式会社 取締役 クロスプラットフォーム事業部 事業部長 小西史和氏

 この負荷は、報告する側とされる側の双方にかかっている。PromanAIdeの開発リーダーを務めた同事業部 第二ビジネスユニット 統括マネージャーの奥地優雅氏は、受託開発では顧客の求めるフォーマットでさまざまな報告をまとめるが、そこから必要な情報を拾うには慣れとコツが必要で、大きな負担になっていたと言及する。開発責任者を務めた同ビジネスユニット ビジネスユニット長の岡下広行氏も、上司が現場に「ここはどうなっているの」「ここは遅れていないの」と問い合わせを重ねる負荷を挙げる。だが報告用に新たなフォーマットを作れば現場の負担が増え、やがて形骸化してしまうという。

5軸・100以上の観点で熟練PMの「勘所」を再現

 岡下氏によれば、世の中で「AI-PMO」と呼ばれる領域は、日程調整や議事録の自動作成、タスクの催促といった事務的・機械的な作業の代行が中心だという。同社のAI-PMOはその次の領域、すなわち複数プロジェクトの状況やリスクを横断的に可視化し、意思決定を支えることをねらう。PromanAIdeはその第一弾として、リスク兆候の検知・予測と対応策の提示を担う。

 分析対象には、進捗報告書・課題管理表・議事録といった管理資料に加え、要求定義書や設計書などの成果物、バグ票まで、既存の資料をそのまま取り込める。専用フォーマットの作成は不要で、フォルダを指定してボタンひとつで評価を実施できる。分析は進捗、品質、リスク、コスト・体制、コミュニケーションの5軸・合計100以上の観点で実施され、熟練プロジェクトマネージャー(PM)が着目する勘所を反映し、定性・定量の両面から評価する。各社固有の開発ルールやマネジメントの考え方も反映できる。

 奥地氏のデモでは、進捗の軸について遅れの有無だけでなく、各工程で必要な作業項目が抽出できているか、進捗に応じた成果物があるかまで確認していた。例えば要件定義の工程で、検討すべき非機能要件が作業項目として抽出できていない点を指摘する。改善策では、不足項目の検討を促すだけでなく、先行タスクの実績のばらつきから遅延しやすいと判断し、バッファの確保を勧める提案も示す。評価結果は総合評価と5軸別の評価として数値で示され、AIチャットに「今後とるべき対策を優先度順に表示して」と依頼すれば、蓄積した評価結果をもとにAIが対策をまとめる。

PromanAIdeの機能一覧
PromanAIdeの機能一覧

 既存のプロジェクト管理ツールに搭載されるAI機能との違いについて岡下氏は、それらのAIは個々のチケットの状況から遅れやリスクを把握し、担当者にアラートを上げるといった個々のアクションを支援するものだと説明した。これに対しPromanAIdeは、個々のチケットではなく、プロジェクトのマネジメントそのものが適切に行われているかを評価する。10件、20件のプロジェクトが並走する組織の長が、どのプロジェクトに人を投入し、どのやり方をテコ入れすべきかといった、組織経営としての意思決定を支援する点が異なるという。

NTTテクノクロス株式会社 クロスプラットフォーム事業部 第二ビジネスユニット ビジネスユニット長 岡下広行氏
NTTテクノクロス株式会社 クロスプラットフォーム事業部 第二ビジネスユニット ビジネスユニット長 岡下広行氏

AI主導の開発におけるマネジメントも視野に

 導入効果について同社は、5人体制・3カ月程度のソフトウェア開発プロジェクトが5件並走する場合、PMOが状況確認に費やす工数は週25時間から10時間となり、約60%の削減が見込まれるとの試算を示した。「PromanAIdeが目指しているのは、単なる資料確認作業の効率化ではありません。組織長やPMOの時間を、資料を読む時間から意思決定をする時間にシフトすることを目指しています」と奥地氏は語る。

NTTテクノクロス株式会社 クロスプラットフォーム事業部 第二ビジネスユニット 統括マネージャー 奥地優雅氏
NTTテクノクロス株式会社 クロスプラットフォーム事業部 第二ビジネスユニット 統括マネージャー 奥地優雅氏

 PromanAIdeの提供形態はSaaSで、料金は月額15万円から。顧客が所有するクラウド環境での提供にも個別に応じ、導入時の伴走支援も別途見積もりで提供する。

 機能は段階的に拡張していく。岡下氏は「今後、AI主導のソフトウェア開発が間違いなく主流になっていくと考えています」と述べ、そうした開発でのプロジェクト管理、特に品質管理を支える仕組みを作りたいとした。ロードマップでは、AI主導の仕様駆動開発におけるマネジメント支援を掲げ、「AI for Management」から「Management for AI」へ進む構想を示している。さらに組織全体のマネジメントへ対象を広げ、PMやPMOに属人的に蓄積されてきた経験や知見を、企業の資産に変えていくことを目指す。

関連リンク

この記事は参考になりましたか?

連載通知を行うには会員登録(無料)が必要です。
既に会員の方はを行ってください。
DeveloperZineニュース連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

森山 咲(編集部)(モリヤマ サキ)

CodeZine編集部所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/news/detail/29958 2026/10/09 07:00

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー