AIエージェント×Slackの可能性
続いて、稲葉氏が「AIエージェント×Slack」でどんなことが実現できるのか解説した。具体的には、AIエージェントから「Slackアプリ」を構築するプロセスについてデモを行った。
Slackアプリとは、Slackのメンバーにアプリを追加し、チャットで呼び出して特定の処理を指示できる仕組みだ。エージェントの先駆け的な仕組みと言える。
現在、AIエージェントからSlackアプリを作成できるようになっていて、LLMの進化によって構築のフローが容易になっているという。「昔はさまざまな手順が必要だったSlackアプリの作成が『プロンプト一発でここまでできるようになった』点に注目いただければ」と稲葉氏。
Slackアプリの基本構成は次の通りだ。ユーザーは「アプリの定義」を作成し、利用するワークスペースにインストールして使う。処理を行うアプリ本体は、Slackの外側の環境上で動作させる必要がある。
これをAIエージェントを使って構築する。まず、「Sandbox」という仮想環境を入手するところからスタートする。
「従来はSlackのフリープランで開発を試してから、普段利用している商業プランにインストールして試すといった方法をとる場合が多かったのですが、今は開発に特化したSandboxを使うことで安全に試すことができます」(稲葉氏)
Sandboxの取得は、公式ページから登録を行うだけで完了する。手順に従って「Sandboxをプロビジョニングする」に進むと、新しいSandboxを作成できる。
続いて、Slackアプリの作成・開発・デプロイをコマンドラインから行える公式ツール「Slack CLI」をインストール。こちらもWebの公式ページにあるインストール方法に従ってダウンロードすればよい。
「Slack MCP and Skills」のプラグインも、公式で用意されているのでインストールする。Claude Codeであればスラッシュコマンドで入手できる。これによってClaude CodeやCruserでMCPサーバーやスキルの設定が可能になる。
これらをすべてセットしたら、MCPでSlackに接続して投稿を参照したり、Slackアプリを作成したりすることが可能になる。デモでは、メンションされたら「こんにちは、○○さん」と返すSlackアプリを作成した。
まず、VS Code上でClaude Codeを起動し、作成したいSlackアプリの概要をプロンプトに入力。その際、Slackアプリ開発フレームワークである「Bolt for Python」を使用するよう指示を出した。
するとプラグインを介してSlackのSkillが起動し、自動的に構築が進む。Slackワークスペースへの認証や、テンプレートには含まれない独自機能の追加なども自動で行われる。
従来はapi.slack.comの管理画面で手動で行う必要があったアプリ定義やインストール作業についても、「定義・インストールまで含め、すべて自動化できるようになりました」と稲葉氏は説明する。ほとんどの工程を自動で完結できるが、手動のコマンド操作が必要なタイミングではClaude Codeがその旨を教えてくれる。
現在では、メンションに反応を返すSlackアプリだけでなく、エージェント型のアプリも構築可能だ。さらに、テーブルやグラフなどのリッチな表現もSlackのネイティブな機能として利用できるようになっている。
Slackでは「Slackbot」というアプリを標準のエージェントとして提供しているが、こうした独自のAIエージェントを作ることで、チームに合った使い分けができる。将来的には、内部的なA2Aのような形で、Slack botから独自のAIエージェントを読み出すといった使い方も想定されているという。
最後に稲葉氏は、Slackの目指す世界観を共有し、セッションを締めくくった。
「本日ご覧いただいた通り、Slackアプリ開発でもコーディングエージェント対応を推進しています。また、Slackは人間だけでなくAIエージェントたちとも対話する場所になっていく。そういう世界観をお届けしたいと思っているので、皆さんまずはぜひ試してみてください」(稲葉氏)
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