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Developers Summit 2025 セッションレポート(AD)

生成AI時代のスキル面接はどこを見ている? 事例に学ぶ、ミスマッチをなくす技術面接

【13-A-5】AI時代にエンジニアを見極める「スキル面接」~RevComm社の取り組み事例~

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 AIの進化により、エンジニアの生産性は飛躍的に向上している。一方で、エンジニアを見極める難易度はむしろ増しているという。Developers Summit 2025の「AI時代にエンジニアを見極める『スキル面接』」と題したセッションでは、エンジニア採用のミスマッチを防ぐソリューションを提供するハイヤールー取締役COOの高柴慶人氏と、100名規模のエンジニア組織を成長させてきたRevCommシニアエンジニアリングマネージャーの瀬里俊行氏が登壇。RevCommが実践する採用プロセスの具体的な手法と、それを支援するハイヤールーのソリューションについて語られた。

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生成AI時代のスキル面接はどこを見ているのか?

 高柴氏はエンジニアとしてキャリアをスタートし、サービス開発への関心からプランナーに転じ、エンジニアやデザイナーと協力してきた。コマースメディアの事業責任者を経て、エンジニアのスキルを可視化するコーディング試験サービスを提供するハイヤールーに参画。「採用のミスマッチを防ぐサービスを展開しており、私自身も学びながら企業に提供しています」と語る。

株式会社ハイヤールー 取締役COO 高柴 慶人氏
株式会社ハイヤールー 取締役COO 高柴 慶人氏

 RevCommは、電話やビデオ会議の会話を解析するAIを提供する企業であり、瀬里氏は同社の黎明期から開発組織に所属し、エンジニア採用や組織づくりを担いながら、組織を100名規模に拡大してきた。生成AIの普及によりソフトウェア開発環境が大きく変化する中、RevCommでも一般的なAIツールに加え、社内独自のAIを活用している。瀬里氏はその一例として「エンジニア組織には約20名の外国人メンバーが在籍しており、円滑なコミュニケーションを図るためにSlackの投稿を自動翻訳するツールを開発するなど、AIの活用を積極的に進めています」と説明する。

株式会社RevComm Technology Dept. シニアエンジニアリングマネージャー 瀬里 俊行氏
株式会社RevComm Technology Dept. シニアエンジニアリングマネージャー 瀬里 俊行氏

 高柴氏が「AIによって生産性が向上する中で、求められるスキルには変化があるのでしょうか」と尋ねると、瀬里氏は「エンジニアに求められるスキル自体は大きく変わっていません」と答えた。AIを活用するからといって、基本的な技術力に対する要求は変わらない。むしろ、AIという新たなツールを使いこなす力に加え、エンジニアとしての判断力や理解力の重要性はこれまで以上に高まっているという。

 続いて話題はRevCommのエンジニア採用プロセスに移った。同社では、カジュアル面談、コーディングテスト、一次面接、最終面接の4つのステップを設けている。まず、カジュアル面談では会社の紹介を行い、候補者の特性を把握する。

コーディングテストではハイヤールーを利用している
コーディングテストではハイヤールーのサービス「HireRoo」を利用している

 コーディングテストでは部署やプロジェクトの特性に応じて内容を調整する。「カジュアル面談で候補者の適性を見極め、最適な職種を判断した上でテストを設定しています」と瀬里氏は説明する。テストは主にコーディング課題とシステム設計課題の2種類を中心に実施する。

 コーディングテストにおいて、最近ではAIが生成したコードをそのまま提出する候補者もいるという。瀬里氏は「AIのコードをコピペすること自体は問題ありません。ただし、自分で説明できることが最も重要です」と話す。たとえAIが生成したコードであっても、その意図や構造を理解し、チームメンバーに説明できる能力が求められる。

 コーディングテストの評価について、瀬里氏は「点数だけを見て不合格にすることはほとんどありません」と語る。すべてのコードの中身やコメント、システム設計の進め方まで細かく確認し、一次面接官とともに強みや課題を分析する。

 評価の際に特に重視しているのが、コードの命名規則やコーディングスタイルだ。「変数の付け方一つで、これまでの経験がかなり見えてきます」と瀬里氏は指摘する。例えば、PHPやPythonなど、それぞれの言語仕様に沿った適切な命名ができているか、チーム開発を意識した書き方になっているかなどが、実務経験や開発への姿勢を示す重要な指標となる。ハイヤールーでは、「HireRoo」を用いたコーディングテストの結果を活かして一次面接を実施することを「スキル面接」と呼び、技術面・スキル面をより適切に測ることができるようになるとしている。

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システム設計に正解はない。ではどこを評価すればいい?

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし・...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

篠部 雅貴(シノベ マサタカ)

 フリーカメラマン 1975年生まれ。 学生時代、大学を休学しオーストラリアをバイクで放浪。旅の途中で撮影の面白さに惹かれ写真の道へ。 卒業後、都内の商業スタジオにカメラマンとして14年間勤務。2014年に独立し、シノベ写真事務所を設立。雑誌・広告・WEBなど、ポートレートをメインに、料理や商品まで幅広く撮影。旅を愛する出張カメラマンとして奮闘中。 Corporate website Portfolio website

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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

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