MySQLが目指す、コミュニティ全体を巻き込んだ「共創」
オラクルがMySQLの新たなエンゲージメント戦略を策定した背景には、30周年を記念して世界各地で開催されたイベントを通じて得られた、ユーザーや開発者からの率直なフィードバックがあった。長年にわたってMySQLを利用してきたエンタープライズ企業の担当者から、無償版を活用する個人の開発者まで、多種多様な声を集約する中で、今後のMySQLの成長に不可欠な課題が浮かび上がってきた。
同社はこれらのフィードバックを詳細に分析し、コミュニティが真に求めている要素を「新しいイノベーションの提供」「透明性の向上」「開発への参加機会の拡大」という3つの柱に集約。これまで、多様な派生プロダクトやフォークが生まれ、エコシステムが細分化される傾向があった中で、MySQLの下に再び技術と知見を結集させる必要があるという仮説を立てたのだ。VanCura氏はこの時生まれた決心を、「私たちはエコシステム全体を統合し、共に未来を作り上げていく道を選択した」と表現する。
MySQLがコミュニティからの要望を基にして作成したロードマップ
VanCura氏が示す通り、MySQLが示す新たな戦略の根本的な動機は、オラクル単独で製品の方向性を決定するのではなく、コミュニティ全体を巻き込んだ「共創」の枠組みを構築することにあった。開発のブラックボックスを解消し、次にどのような機能が実装され、どのバグがいつ修正されるのか、ユーザーが予見できる状態を作ることが、強固な信頼関係の再構築に向けた第一歩であると位置付けられたのだ。
