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イベントレポート

SnowflakeのAIエージェントが体現する「エージェンティック・エンタープライズ」

「Snowflake World Tour 2026」DAY1 KEYNOTE レポート

「AIについて本当に恐れるべきは、使わないこと」

Anthropic Head of Applied AI, APAC ナタリー・ミード氏
Anthropic Head of Applied AI, APAC ナタリー・ミード氏

 基調講演の終盤、クライナマン氏を聞き手に、AnthropicのHead of Applied AI, APACであるナタリー・ミード氏を迎えた対談が行われた。以前SnowflakeでAPJ(アジア太平洋・日本)地域の事業展開を担っていたミード氏は、AIの使いやすさの劇的な変化から語り始めた。「ちょうど1年前、私はバイブコーディングが全然できませんでした」と振り返りつつ、今では「タスクを渡すだけで9時間後にほしかったものがそのまま手に入ります」というレベルに達しつつあると述べた。

 モデル選択については「自分に合ったモデルを選ぶという考え方が大事です」とし、Claudeのモデルの中でも「お客様と話していると、最も難易度の高いワークロードにはFableを使いたがる一方、自分のような普段使いであればSonnetで十分な場合もあります」と語った。「トークンのコストが過大になりがちだと誰もが話していますが、モデルがどんどん良くなるにつれてそのコストは下がっていきます。Opus 4.8をローエフォートで使うべきかハイエフォートで使うべきかを理解することが、AIを自分たちのために働かせ、ゲームを変えるための重要なポイントになります」と述べ、Snowflakeが提供するCortex AI Gatewayのルーティング機能はこの判断を自動化するものだとして評価した。

 責任あるAI活用については、「Anthropic社内のコードの90%はClaudeが書いています。エンジニアリングチームが人間によるレビューで正確性を確認し、安全性のガードレールを通過してからリリースします。手法は変わりませんが、それがはるかに速く進むようになりました」と明かした。また、AI導入に踏み切れない企業に向けては「AIについて本当に恐れるべきなのは、使わないことです」と述べた。

 続いてクライナマン氏はSnowflakeとAnthropicのパートナーシップの本質について、「Anthropicは正確性・信頼性・安全性・責任感にフォーカスし続けており、Snowflakeも常に信頼と安全性を最優先にしてきました。そこが素晴らしいパートナーシップの本質です」と述べ、新しいモデルがリリースされた初日からSnowflake上で利用できる「Day 1パートナーシップ」を実現していることを示した。

 対談の締めくくりとなる最後の質問でクライナマン氏が「AIとAnthropic、そしてAI導入について、ここにいる皆さんに知っておいてほしいことは何かありますか」と尋ねると、ミード氏は「まずは一番難しいワークロードを取り上げて、CoCoに投げてみて、何が起きるか試してみてください」と会場の参加者に呼びかけた。

Snowflakeが示す3つの宿題

 クライナマン氏は講演の締めとして、会場の参加者へ3つの「宿題」を提示した。1つ目は「データ資産をモダナイズすること」で、適切なセキュリティが確保されているかを確認する基本的なステップだ。2つ目が「データをAI-readyにすること」で、セマンティクスとオントロジーを整え、「Cortex Sense」のような機能を活用することでAI-ready化の多くの作業を自動化できる。3つ目が「AIで自律的なアクションとインパクトを生み出すこと」で、ユースケースを見つけ、エージェントを作り、自律的な活動を推進し始めることが求められるとした。

 「エージェンティック・エンタープライズ」という言葉が示すように、Snowflakeが目指すのは、AIを部分的に導入するのではなく事業プロセス全体に組み込む姿だ。データ基盤の整備とガバナンスを先行させ、その上でCoCo・CoWorkが機能するという構成は、基調講演を通じて繰り返し語られた。日産や富士フイルムの事例も、データの意味づけや組織の壁への対応を経てAI活用に至ったプロセスを示すものだった。

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この記事の著者

森山 咲(編集部)(モリヤマ サキ)

CodeZine編集部所属。

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https://codezine.jp/article/detail/29697 2026/09/30 10:00

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