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これからは社会背景や文脈の考慮も デザインの効率化を進めるための「命名」とは

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 株式会社SmartHRのプロダクトデザイングループが、人事労務領域を扱うソフトウェア「SmartHR」開発で培った知識と経験を活かし、業務アプリケーションにおけるデザインアプローチの考えかたをお伝えしてきます。第4回のテーマは「デザインの効率化を進めるための命名」についてです。

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 こんにちは。SmartHRプロダクトデザイングループのnaoです。

 前回の記事ではユーザービリティテストについてご紹介しました。今回は、デザインの効率化や価値を最大化するための動き「デザインOps」についてお伝えします。

 SmartHRでは2021年1月現在、プロダクトデザイナーは7名在籍しており、それぞれのデザイナーはSmartHR本体を中心に、周辺の各プロダクトのデザイン業務を行っています。

 各プロダクトのチームは別々のデザイナー、PMM、PdM、エンジニアなどで構成されており、それぞれデザインの向き合い方や運用方法を持っています。この記事では、私のチームでどういう動きをしているかを交え、デザインの効率化を図る動きをご紹介します。今回はその中でも「命名」という行為についても考察していければと思っています。

デザインOpsとはなにか

 この記事をより理解していただくために、まずは「デザインOps」という言葉に触れてみようと思います。

 デザインOpsは、アメリカのインタラクションデザイン団体「The Interaction Design Association」の創始者でもあるDave Malouf氏が提唱しました。2008年頃に生まれた「エンジニアリングの質と効率化を最大化させる動き「DevOps」が源流となり、その動きをデザインでも継承するべく、デザインOpsが誕生しました。

 いまではAirbnbやDropboxをはじめとした多くの企業が、プロダクトをデザインする際にデザインOpsを取り入れています。デザインの質や効率化を促進させるという名目で、多くのプロセスや組織体系が生まれてきました。

 DesignOpsについてさらに知識を深めたい場合には、こちらのウェブサイトをぜひご覧ください。

デザインにおける命名とは

 プログラミングの世界では、昔から命名行為を重要視しています。ソースコードの可読性、プログラムの効率性やメンテナンスの容易さを目的に、命名については多くの開発者が情報を発信しています。

 また、適切に命名された要素を用いれば、チーム内での認識向上による効率化や、ほかの開発者への引き継ぎも行いやすくなり、ビジネス上の価値も得られるでしょう。

 デザインをふくめモノを作る行為において、「対象」は非常に重要です。「誰に何を作るのか」や「何と何がどのような関係があるのか」を明らかにするところから徐々に具体へと落としていきます。命名という行為は対象に存在を与える行為で、対象の関係性を探る前に行う必要があります。

 開発者がテーブル設計をする際に、ドメインモデルから適切な命名をすることで、要素の意味や存在を強く認識できるようになります。またほかの開発者との連携もしやすくなるでしょうし、デザイナーにも同じことが言えると思います。

 開発者であれば、このUI要素を「モーダル」や「ダイアログ」、もしくは「ポップアップ」などの名前で呼んだ経験があるのではないでしょうか。メンバーの中で、これらの実態と名前の整合性が取れていればメンバー間の認知コストも減り、開発の効率化にもつながります。

 また、名前は受け取り手に与える印象にも大きく影響します。名前が与える影響から名称の変更を決断した例として挙げられるのが、2020年のGitHubです。GitHubは、2020年の10月にレポジトリのデフォルトのブランチの名前を「master」から「main」に変更しました。昨今の人種差別問題を考慮した結果です。

出典:GitHub Changelog

出典:GitHub Changelog

 これは、社会状況の変化を受けて名前を変更した例ですが、今後は単なるドメインを超えて、社会背景や文脈も考慮し命名することが重要だと感じています。

 このようにソフトウェアやサービスをデザインする上で命名をするということは、あまり大したことではないように見えるかもしれません。ですが、開発の速度や効率性を大きく左右する要素でもあるので、私はとても重要視しています。

この記事の続きは、「CreatorZine」に掲載しています。 こちらよりご覧ください。

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https://codezine.jp/article/detail/13735 2021/03/02 08:00

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