YAPC::Asia2日目のセッションでは、DeNAで使われているモバイルサイト向けフレームワークが公開され、その概要が解説された。
Perlカンファレンス「YAPC::Asia」2日目は、「Introduction "MobaSiF"(Mobile Simple Framework)」と題されたセッションが行われ、株式会社DeNAの能登信晴氏、川崎修平氏が壇上にあがり、同社で使われているモバイルサイト向けフレームワーク「MobaSiF」を公開するとともに、その概要が解説された。
能登氏はまず、MobaSiFの特徴について「薄くてシンプルで非常に軽い。中身を見てもらえればわかるが、すぐに理解できるのでは」と、文字通りシンプルなフレームワークであると説明した。一方で「2004年よりモバオクで使われはじめて以来、ポケットアフィリエイトやモバゲータウンなど大規模サイトで運用されてきた」と、MobaSiFが実績を持っているフレームワークであることも強調した。
MobaSiFは、主に「3キャリア対応絵文字変換」「端末ID、キャリアの検知機能」「シンプルなテンプレートエンジン」「MVCコントローラー」などが含まれたフレームワークとなっており、それぞれを独自に活用することもできる。その他、DBIラッパー「DA.pm」やデーモン作成用モジュール「Daemon.pm」なども同梱されている。対応環境はLinux(DeNAではRedHat 9を使用)、Parl 5.8.0以降、Apache(DeNAでは1.3.xを使用)、FastCGIまたはmod_perl、MySQLなど。
ベンチマークを比較してみると、日記ページを10件表示した際、Template Toolkitを使った場合は1秒間に612ページ分だったが、MTemplate(MobaSiFのテンプレートエンジン)を使うと秒間14,312ページ表示できるなど、約22倍の高速性を実現している。「ただ、これに関しては数ミリ秒でのできごとなので、特にこだわる部分ではないと思う」(能登氏)としながらも、絵文字の変換速度はEncode::JP::Mobileを使った際よりも約3倍、静的なページを表示させてフレームワークのベンチマークを計ってみると、Catalystを使用した際の6倍近い性能を持つなど、実績に見合った能力を兼ね備えているようだ。
今回、フレームワークをオープンソース化した理由について尋ねられると、川崎氏は「理由の1つとして、YAPC::Asiaのために何かいいネタを出したかった」と回答。予定されていた携帯メール向け配信モジュールの公開が間に合わないなど、まだ準備不足の部分もあるとしながらも、「今後もソースを公開していくので、ぜひ中身をのぞいてみて欲しい」と述べた。
MobaSiFは以下のサイトでオープンソースとして公開されている。ライセンスはArtistic LicenseまたはGPLv2。ドキュメントは圧縮ファイルに同梱されている。
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