この記事は、「Adobe MAX 2010の日本語版Webサイト」からの転載です。Adobe MAX 2010の基調講演ライブストリーミング配信や、Twitterキャンペーンなど、さらに詳細情報を知りたい方は、こちらからどうぞ。
開催直前、FxUGの福田氏がAdobe MAXを大予想
Flex User Groupの福田寅成(クラスメソッド株式会社)です。今年もAdobe MAXの季節がやってきました! 秋と言えばAdobe MAX! Adobe MAXは、Adobeが提供するとてもエキサイティングな最新テクノロジーの数々を体験できる大規模カンファレンスです。
北米で開催されるAdobe MAXでは、毎年日本の技術者向けにツアーが組まれています。そのツアーが「MAXアドバンテージツアー2010」ですね。皆さん申し込まれましたか? もちろん賢明な読者の皆さんは全員申し込まれたと思いますが、残念ながら私は申し込むことができませんでした。
クリエイターやデベロッパーであれば、一生に一度は行ってみたいAdobe MAX。本記事では、日本から参加する幸運な皆さんがツアー申込後に行う最も悩ましい作業である「300もあるセッションの中から参加するセッションを選ぶ作業」を筆者が擬似的に行い、それらを注目セッションとして紹介するとともに、「ひょっとしたら、こんな事が発表されるのでは?」と大予想も行ってみます。
目次
- 注目セッション紹介
- Adobe MAX 2010ではコレが発表される!?
本記事で大予想する事柄は、あくまでも筆者の個人的な予想です。
注目セッション紹介
まず、Adobe MAX 2010の注目セッションを技術別に紹介します。セッションカタログのセッションタイトルとセッション概要をもとに、300以上あるセッションから注目のセッションを独自にピックアップしています。特にAdobe FlexやAdobe AIRに関するセッションの中級(Intermediate)上級(Advanced)をターゲットにしたセッションに注目しています。また、本記事以外にも、注目セッション紹介記事がありますので、そちらもご覧下さい。
1. Adobe AIR for Android

最初の注目は、やはりAdobe AIR for Android関連セッションです。日本国内でも、Google Androidベースのスマートフォン(以降、Androidスマートフォン)の提供が開始されました。もう間もなく世界中でAndroidスマートフォン向けアプリケーションをAdobe AIRで開発する時代が幕を開けます。
Adobe AIR for Androidの登場により、モバイル向けエンターテインメント/エンタープライズアプリケーション開発のシーンは劇的な変化を遂げようとしています。モバイル向け開発でも、Adobe FlashやAdobe Flexの開発ノウハウをフル活用でき、Adobe Creative SuiteやAdobe Flash Builderを中心とした高生産性開発ツール群を用いて、非常に高いユーザーエクスペリエンスを提供するアプリケーションを開発することが可能となりました。
Adobe MAX 2010の中でも特に多くのセッションが用意されているのがAIR for Androidです。その中から注目セッションをいくつか紹介します。
Designing and Developing for Touch-Based Devices
- 日時 : 10月26日(火) 8:30 am - 9:30 am
- スピーカー : Daniel Dura
- スキルレベル : 中級
- 内容 :
このセッションでは、携帯やタブレットなどのタッチインターフェイス向けの設計開発手法を学ぶことができます。
Build Your First Android Application in 90 Minutes with Adobe AIR
- 日時 : 10月27日(水) 4:00 pm - 5:30 pm
- スピーカー : Lee Brimelow
- スキルレベル : 中級
- 内容 :
こちらのセッションでは、最新のAdobe AIR、Flex、Flash Builderを用いてサンプルAndroidアプリケーションを開発し、開発方法からマーケットプレイスへのアップロード方法までを生部事ができます。Adobe AIR経験者であってもモバイル独自の開発の流儀をまずは確認しておくことは大切です。
また今回のMAXでは、すでに業務向けAndroidアプリケーション開発に関するセッションが多く用意されています。
Building Enterprise Adobe AIR Applications for Android
- 日時 : 10月27日(水)9:30 am - 10:30 am
- スピーカー : Ron Nagy, Venkatesh Yadav
- スキルレベル : 一般
- 内容 :
「Android向け業務Adobe AIRアプリケーションの構築」という直球のセッションタイトル。Adobe AIRプレリリース版を利用してAndroidデバイス向けの業務データ配信に関して解説してくれるようです。
Building Android Data-Driven Applications with Flex
- 日時 : 10月25日(月)3:30 pm - 4:30 pm
- スピーカー : Christophe Coenraets
- スキルレベル : 一般
- 内容 :
Adobe AIR、Blaze DS、Flex、Java、LiveCycle DSを用いたまさに業務アプリケーション開発という感じのセッション。AIR for Androidに関する基礎を学んだ後、ローカルデータベース、データ同期、データプッシュなどデータの保存や送受信に関連するノウハウを学べます。セッション概要には「アプリケーション開発のnext waveに乗り遅れるな!」と書いてあったので、波に乗り遅れたくない業務系デベロッパー必見のセッションとなるでしょう。
2.テレビ

次の注目は、テレビです! セッションカタログから面白そうなセッションをリストアップしていたところ、意外に「TV(テレビ)」というキーワードに関するセッションがとても多いことに驚かされました。本格的に「テレビ向けのアプリケーション」をAdobe AIRで開発することができるようになるのです。
セッション群を見ていくと具体的なテレビ向けアプリケーション開発に関するセッションが多いのにも驚きです。特別な技術や言語を用いることなく Adobe AIRを利用することにより、テレビ向けアプリケーション開発が可能になる時代が間もなくやってきます。エキサイティングな未来がAdobe MAX 2010で開幕するわけです。
Developing Your First App for Adobe AIR on the TV
- 日時 : 10月27日(水)8:30 am - 10:00 am または 1:30 pm - 3:00 pm
- スピーカー : Aditya Bansod, Don Woodward
- スキルレベル : 初心者
- 内容 :
実際のテレビハードウェア上のAdobe AIRを用いてテレビスクリーンに対するアプリケーション開発に関するセッションです。テレビ向けの設計や最適化に関しても取り上げる模様。
How to Develop Adobe AIR Applications for Televisions
- 日時 : 10月25日(月)5:00 pm - 6:00 pm
- スピーカー : Speakers: Don Woodward
- スキルレベル : 中級
- 内容 :
こちらもテレビ向けAdobe AIRアプリケーション開発に関するセッションです。セッション概要には「Adobe AIR for TV」というキーワードがあるように、新しいテレビ向けに最適化されたAdobe AIRを用いてどのようにテレビに最適化されたアプリケーションを開発するかを学ぶことができるようです。
Taking Your Brand to the Next T: Tablets and TVs
- 日時 : 10月26日(火)8:30 am - 9:30 am
- スピーカー : Andrew Howlett
- スキルレベル : 一般
- 内容 :
この注目セッションでは2つのT(タブレットとテレビ)に関してAdobe Flash Player 10.1とAdobe AIRがどのように活用できるかを紹介しています。この全く新しい2つのチャネルに対してどのように我々がコンテンツを提供し、新しい顧客を獲得できるか、そしてデスクトップやスマートフォンを含めたマルチスクリーンに対してどのようにアプローチしていけばよいかを丁寧に解説してくれそうなセッションです。
紹介したAdobe AIR for TV関連セッションはどれも対象者に「決裁者」が入っており、Adobe AIR for TVがビジネスシーンに大きな影響を与える技術であることが伺えます。
3. エンタープライズ
以前に比べエンタープライズ寄りの技術が多くリリースされるようになったAdobeですが、Adobe MAXでも多数のエンタープライズアプリケーション構築に関するセッションが用意されています。
AIR for Androidのセッション紹介でも業務を意識したものをピックアップしましたが、業務アプリケーション開発に関わるデベロッパー向けのセッションをさらにいくつか注目していきたいと思います。
Creating Testable Flex Applications
- 日時 : 10月27日(水)11:00 am - 12:00 pm
- スピーカー : Jeff Tapper, Michael Labriola
- スキルレベル : 中級
FlexPMD: Your Canary in a Coal Mine
- 日時 : 10月27日(水)9:30 am - 10:30 am
- スピーカー : Xavi Beumala, Xavier Agnetti
- スキルレベル : 上級
2つのセッションをピックアップしましたが、筆者が最近注目している動的テスト、静的テストに関するセッションです。前者はクラス単体テスト時に利用するFlexUnit 4に関して、後者はコードの品質チェック時に利用するFlexPMDに関するセッションです。どちらももうAdobe Flex 3、Flex 4を利用した業務アプリケーション開発では必須のツールになってきているかと思います。
FlexPMDのセッションでは、基本的なチェックルールの紹介やツールの使い方から、カスタムルールの追加方法まで教授していただけるようです。セッションタイトルにある「Your Canary in a Coal Mine」は直訳すると「炭鉱のカナリア」という意味で、カナリアは毒ガスに敏感でいち早く人間に警告してくれることから「警告」という意味を表しています。実際、FlexPMDはアプリケーションの実行前に我々にコードのチェック結果を教えてくれます。
Development of Mission-Critical Rich Internet Applications in Support of Government Operations
- 日時 : 10月27日(水) 8:00 am - 9:00 am
- スピーカー : Carl Houghton
- スキルレベル : 一般
- 内容 :
政府機関で利用されているJ2EEベースのレガシーなアプリケーションから最新のRIAへ移行に関するセッションです。軍事関連のミッションクリティカルなアプリケーションに関してもJavaからFlexへどうやって移行するのか紹介するようです。筆者が非常に聴講したいセッションの一つです。
同じような命題に関するセミナーをアドビシステムズ(株)とクラスメソッド株式会社が共同で定期的に開催していますので、ご興味ある方はWebサイトの方をチェックしてみて下さい。
Enterprise Live Video with Multicast and P2P
- 日時 : 10月26日(火)3:00 pm - 4:00 pm
- スピーカー : David Hassoun
- スキルレベル : 上級
- 内容 :
ビジネスでビデオのライブ配信を行うにはどうしたらよいか、その解決法を知るにはこのセッションです。Flash Player 10.1から搭載されている新しいP2Pプロトコル(RTMFP)を用いた先進のビデオアプリケーション構築に関する、上級者向けのセッションとなっているようです。
4. LiveCycle Collaboration Service

Adobe LiveCycle Collaboration Service
B2CやB2Bでビデオチャットやテレビ電話、共有ホワイトボードが利用されるようになってきましたが、そういった環境を簡単に構築することができるのがAdobe LiveCycle Collaboration Serviceです。この製品に関するセッションも今年のAdobe MAXでは多めの枠が用意されており、その中から一つだけ紹介します。
Building Real-time Collaborative Applications: LiveCycle Collaboration Services Deep-dive
- 日時 : 10月25日(月)2:45 pm - 4:15 pm
- スピーカー : Nigel Pegg
- スキルレベル : 中級
- 内容 :
FlexやAIRでP2Pのコラボレーションアプリケーションを構築する方法に関するディープなセッションです。音声やビデオによるコミュニケーションアプリケーションに関する深い理解とそれを実現するために用意された多数のツールに関して学ぶことができるようです。
5. Future
筆者は、一歩先のアプリケーション開発技術をチェックしていきたいと常日頃考えています。幸いAdobe MAX 2010でも「まもなく登場する予定の技術」に関するセッションが多数用意されています。
Flash Sneak Peak: A Glimpse at the Future
- 日時 : 10月25日(月)3:30 pm - 4:30 pm
- スピーカー : Richard Galvan
- スキルレベル : 一般
Roadmap: Flash Platform Runtimes
- 日時 : 10月27日(水)8:00 am - 9:00 am
- スピーカー : Aaron Filner
- スキルレベル : 一般
Roadmap: Flash Platform Services and App Monetization
- 日時 : 10月27日(水)11:00 am - 12:00 pm
- スピーカー : Eric Wittman
- スキルレベル : 一般
What's Coming in Adobe AIR
- 日時 : 10月26日(火)3:00 pm - 4:00 pm
- スピーカー : Aaron Filner
- スキルレベル : 一般
Flex Roadmap
- 日時 : 10月25日(月)3:30 pm - 4:30 pm
- スピーカー : Deepa Subramaniam
- スキルレベル : 中級
Roadmap: Flash Platform Servers and Services
- 日時 : 10月26日(火)4:30 pm - 5:30 pm
- スピーカー : Erik Larson, Jennifer Taylor
- スキルレベル : 一般
Roadmap: Flash Platform Tooling and Framework
- 日時 : 10月25日(月)5:00 pm - 6:00 pm
- スピーカー : Greg DeMichillie
- スキルレベル : 一般
What's New in Flash Builder "Burrito"?
- 日時 : 10月26日(火)3:00 pm - 4:00 pm
- スピーカー : Andrew Shorten, Sameer Bhatt
- スキルレベル : 一般
8つのセッションを取り上げましたが、各セッション概要には具体的な内容についてもちろん言及されていませんでしたので、Adobe MAX 2010に参加された方のお楽しみということですね。ちなみに、新しいFlash Builderのコードネームとして付けられている「Burrito」はメキシコ料理のことですね。
Adobe MAX 2010ではコレが発表される!?
最後に、基調講演やセッションでお披露目されるかもしれない新技術や話題を筆者が勝手に予想してしまおうと思います。
| ◎ | 80%以上! |
| △ | 20%~80% |
| × | 0%~20% |
| ◎ | Adobe AIR for TVなテレビの実機お披露目(海外メーカー) |
| △ | Adobe AIR for TVなテレビの実機お披露目(日本メーカー) |
| ◎ | 最新Android端末実機お披露目(日本携帯機器メーカー) |
| △ | 医療機器などへのAdobe Flash Player、Adobe AIRの搭載 |
| △ | Adobe AIRな自動車のお披露目 |
Adobe AIRのテレビ関連対応の発表は絶対にあると思います。多数のセッションが開かれるくらいですから、絶対発表されますよね。相当インパクトのあるデモンストレーションを引っ提げて基調講演が行われるはずです。
また、Open Screen Projectの成果としてスマートフォンやスレート、テレビ以外のデバイスでのAdobe Flash Platformの展開に関する発表があると基調講演も刺激的なものになるかと思います。医療や製造業、航空宇宙の分野にAdobe Flash Platformのすそ野がもっともっと広がっていってもいいのではないかなと。
ただ、海外メーカーの製品に関する事例が多数お披露目される反面、日本やアジア、ヨーロッパのメーカーの製品に関する事例はあまり発表されないかもしれません。特に日本はAndroid対応一つとっても諸外国に比べ遅れていますから。ただ、ぜひ国内のメーカーさんに頑張って欲しいところです。「弊社 ○○へのAdobe AIR搭載を表明します!」といった発表でもいいので日本のデベロッパーが盛り上がるような発表が1個でもあって欲しいと思うばかりです。
| ◎ | 映画やテレビドラマにおけるAdobe Creative Suite最新事例 |
| ◎ | 電子書籍分野に対する新しいAdobeからの提案 |
| △ | Adobe Flash CS5によるNintendo 3DS向け飛び出す動画作成 |
| △ | Adobeクラウド(新サービス) |
デザイン関連で筆者が予想できるのはこんな感じ。個人的にはFlash CSで簡単な3Dブラウザゲームが作れるようになって、ゲーム機やPC、さらにはAdobe AIR対応テレビで3D立体視のゲームがどんどん出てくるととてもいいなと思います。
また、日本国内でも盛り上がりを見せる電子書籍分野に関しては、改めてPDFのAdobeからエキサイティングな提案があってもいいかなと。通常の読書体験を超えるような何かを。
あと、Adobe Flash Platformの「Service」の分野にも動きがあるかもしれません。課金の「Melrose(旧Shibuya)」やAcrobat.comなどに続く、Adobeならではのクラウドサービスの発表があると面白いですね。GoogleやMicrosoftのようにサーバーリソースの販売には手を出さないとは思いますが…。
| × | Apple iPhone、Apple iPadにAdobe Flash Player搭載! |
| × | Adobe Flash Player内でのMicrosoft Silverlightの再生技術に関する発表 |
前者は絶対ないでしょうけど、後者は意外とあって欲しい。逆(Microsoft Silverlight上でFlashを再生すること)ができるだけに、今後Silverlightが普及してくるにつれFlash Player内でSilverlightのコンテンツが再生できるようになると面白いコンテンツが出てくるかもしれません。
| × | Adobe MAX Japan 2011が日本で開催されることが発表される |
開催されないかな~? 最低でもAdobe MAX 2010ツアー報告会のようなものは開催してほしいですよね、みなさん! 11月とかに開催されるかもしれませんので、スケジュールは空けておくようにしましょう!
Adobe MAX 2010の注目セッション紹介と大予想(小予想?)記事いかがだったでしょうか? 面白そうなセッションが目白押しのAdobe MAX 2010。現地で参加される方も、日本でお留守番の方もまずはまもなく開催されるエキサイティングな5日間をワクワクしながら待つこととしましょう!


