アドビは1月17日に行われた業績報告会において、新しい実行環境「Apollo(コードネーム)」の説明およびデモを行った。
アドビシステムズ株式会社は17日、都内で発表会を開き、2006年度の財務報告および2007年度の事業戦略説明を行った。また同時に、新しい実行環境「Apollo(コードネーム)」のプレビューも行われた。
同社 代表取締役社長のギャレット・イルグ氏によると、2006年第4四半期(9-11月)は、過去最高の売上高(6億8,220万米ドル、対前年比34%増)、純利益1億9,700万米ドル(対前年比30%増)を達成。2006年度通年の売上でも、過去最高の25億7,500万米ドルで目標を達成したという。
2006年度のプラットフォーム別 売上比率は、パブリッシングなどのクリエイティブ市場向けが大半を締め(55%)、次にグループウェアなどのナレッジワーカー向け(26%)、エンタープライズディベロッパー向け(7%)が続く。モバイルデバイス向け(2%)の比率は少ないが非常に伸びている分野であり、特に日本では重要と考えているとしている。
売上に占める研究開発費の比率も、2006年度は、近年の平均よりも8ポイント近く大きい27.9%に及び、旧MacromediaとAdobeの技術統合に注力しているという。具体的には、FlashとPDFの融合を目指しているようだ。
「インターネットに接続しているPCの97%以上にFlash Playerがインストールされている」「Web上のコンテンツの約10%がAdobe PDF形式」「Flash Lite搭載のモバイルデバイス出荷台数が1億5,000万台を突破」といったことから、何かしらの文章やアニメーションなどを作成する際、より多くの人に読んでもらうためにはAdobe製品を利用することが望ましいことを強調した。
その後、同社 プロダクト&セールスエンジニアリング部の太田禎一氏により、新しい実行環境「Apollo(コードネーム)」の製品概要説明およびデモンストレーションが行われた。
Apolloとは、クロスOSで稼動するデスクトップアプリケーションの実行環境(ランタイム)のことで、HTML/Flash/PDFアプリケーションを一つの環境で実行できる。Windows VistaやGoogleデスクトップのガジェット、Mac OS X Dashboardのウィジェットなどに近い。開発環境は、Flex Builder、Flash、Dreamweaverなどの対応が予定している。
Apolloを利用すると、「開発者」「管理者」「エンドユーザー」の3者にメリットがある。「開発者」は、ローカルのファイルシステムにアクセスできないといったブラウザの制約から解放され、Webアプリケーションの開発スキルをデスクトップアプリケーションでも活用できるようになる。また「管理者」は、修得や開発環境へのコストを抑えることでTCOを削減することができ、Webアプリケーションならではデプロイメントしやすいさや、デスクトップアプリケーションならではパワーといった恩恵を受けられる。「エンドユーザ」にとっても、操作性や利便性での向上が期待できるだろう。
「脱ブラウザ」が必要なWebアプリケーション例として、ネットに断続的に接続するグループウェア・スケジューラや、ローカルファイルを活用するフォトビューア・MP3プレイヤー、ブラウザを開かなくても稼動し続けたいメッセンジャーなどが挙げられた。
Apolloが開発された背景として、従来まではMacromedia(Flash)とAdobe(PDF)の技術が真の融合を見せておらず、それを具現化した形で届けたかったためとしている。また、Adobe Readerの利用価値を深めたり、Webで蓄積されているナレッジをデスクトップアプリケーションにも活かせたらよいのではないか、という意図もあるとのこと。
Apolloは今年後半のリリースを予定している。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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