- ※適用バージョン:Windows 10 version 1803(build 17134)以降
はじめに
Windows 8とともに「ストアアプリ」が登場し、それはWindows 10でUWP(Universal Windows Platform)アプリへと進化してきました。「ストアアプリ」のプラットフォームは、セキュリティやユーザーのプライバシー保護に重点を置いていました。ユーザーにとっては好ましい特徴ですが、引き換えにアプリにとっては不自由な制限を加えます。その代表的なものは、ローカルのファイルシステムへのフルアクセスが許可されないことです。原則として、ユーザーの許可がないローカルファイルへのアクセスは禁止されました。
その原則は最新のUWPでも変わっていません。そのため、「ファイルマネージャー」のようなアプリを作れなかったのです。ディレクトリ構造とファイルを表示し、ファイルの情報表示やコピー/削除といった操作を行うようなファイルマネージャーを作るには、ローカルファイルを自由にアクセスできる必要があります。
それがWindows 10 1803で可能になりました。今回は、その機能を使ってファイルマネージャーの骨格部分を作ってみます(次の画像)。全ローカルドライブのフォルダーとファイルを左側に表示し、選択されたファイルの情報を右側に表示します。
ところで、長らくUWPアプリをやってこられた開発者の方は、上の画像を見て「あれっ?」と思われたことでしょう。そうです、ツリー構造を表示するためのTreeViewコントロールも、Windows 10 1803で追加されているのです。このコントロールの使い方も紹介します。
対象読者
- UWPアプリを作っている開発者
- UWPは制約がきついからと敬遠していた開発者
必要な環境
サンプルコード(GitHub)を試してみるには以下の環境が必要です。
- Windows 10 1803以降
- Visual Studio 2017 Version 15.8以降(無償のCommunity Editionで可)
- UWP用Windows 10 SDK:10.0.17134以降