IDC Japanは、国内エンタープライズアプリケーションソフトウェア市場予測を、6月30日に発表した。
2019年の国内EA(Enterprise Applications)ソフトウェア市場(売上額ベース)は、前年比成長率が2.6%、市場規模は5425億8300万円となっている。2018年から続く製造業でのDX進行などの要因でPLM(Product Life-cycle Management)アプリケーションが好調であり市場を牽引した。2020年以降は、新型コロナウイルス感染症の影響で成長の鈍化が予測され、国内EAソフトウェア市場の2019年~2024年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は0.7%で、2024年の市場規模は5630億6900万円になると見込む。
2019年の国内ERM(Enterprise Resource Management)アプリケーション市場は、EPM(Enterprise Performance Management)による経営指標の可視化需要、EAM(Enterprise Asset Management)を活用したアセット管理が好調なことから、前年比0.3%増となり、市場規模は2156億9600万円だった。同市場は、新型コロナウイルス感染症による企業のIT投資予算の再考と、「2025年の崖問題」対策の影響を緩やかに受けており、EPM、人事管理/給与計算関連アプリケーションは堅調に成長し、2019年~2024年のCAGRは0.4%で推移し、2024年の市場規模は2198億4900万円に達すると予測している。
2019年の国内SCM(Supply Chain Management)アプリケーション市場は、国内/グローバルサプライチェーン需要が2020年に予定されていた東京2020オリンピック・パラリンピックへの期待によって回復した一方で、米中貿易戦争の影響などによる阻害要因もあって市場成長は低調で、市場規模は前年比1.2%増の、385億7800万円だった。同市場は、新型コロナウイルス感染症にともなうグローバルサプライチェーンの一時停止、国内サプライチェーンの低迷によって、2020年はマイナス成長になると予測されるものの低迷は一時的で、サプライチェーンの回復とともにビジネスプロセス中のサプライチェーンの重要性が再認識され、2021年以降は回復し2019年~2024年のCAGRは2.3%で推移し、2024年の市場規模は431億4800万円になることが見込まれる。
2019年の国内PLMアプリケーション市場は、前年比4.6%増、2883億900万円で、製造業での3D CADソフトウェアの需要の増加やCAE(Computer-Aided Engineering)によるデジタルツイン需要が同市場を成長させた。とりわけ、10月の消費税増税前の駆け込み需要や2020年に予定されていた東京2020オリンピック・パラリンピックに向けたインバウンド需要の増加を期待した投資が、同市場の成長に寄与している。同市場は、新型コロナウイルス感染症の影響による国内製造業の業績低迷を受けて、投資延期/中止が予測され、オンプレミス比率が高いことからプロジェクト延期/中止の影響を受けやすく、2019年~2024年のCAGRは0.8%で推移し、2024年の市場規模は3000億7200万円になると予測している。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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