テクマトリックスは米国Lattix社のアーキテクチャ分析ツール「Lattix」を販売すると発表した。
テクマトリックスは米国Lattix社のアーキテクチャ分析ツール「Lattix」を販売すると発表した。
Lattixのベーステクノロジである「DSM」(Dependency Structure Matrix)は、古くから製造業(ボーイング社やBMW社)などで活用されてきたアーキテクチャ分析手法。マサチューセッツ工科大学、ハーバード大学、イリノイ大学などで研究が進められている。「Lattix」はこの手法を世界で初めてソフトウェアに応用したツールである。
現在、ソフトウェア開発は大規模化・複雑化することにより全体の構成要素(サブシステムやモジュール、関数など)の依存関係を可視化することが難しくなっている。また、多くの人間が開発にかかわることでコーディングルールなどの情報が行き届きにくくなり、モジュール間の相互依存が多発してしまう要因にもなっている。
Lattixは、クラス図等では表しきれないほどの複雑なモジュール関係をマトリックス図にて表現し、依存関係を一気に見える化する。モジュールが適切な階層構造になっていれば、関係性を表す数字がきれいに対角線で並ぶ。逆に、不適切な階層構造になっていると数字があちこちに出現してしまう。
例えば下図はAntを分析した例だが、対角線の右上に数字が点在しており、階層関係が適切でないと分析できる。また、3のモジュールは6と9に過度に依存しており、パッケージングし直すことも検討できる。「これをUMLのクラス図で表すといくつもの矢印が行き交い、とても全体を把握できない」とWaldman氏は言う。
マトリックス図はJava、C++、.NETの既存ソースコードから生成することが可能。作成したマトリックスを分析したり、操作したりすることで、適切なアーキテクチャを生み出す事ができるようになっている。また、依存関係のルールを決めておくことができ、定期的にソースコードを分析することで規約違反のコーディングを確実に見つけ出すことができる。結果、ソースコードの品質や生産性の向上に役立てられるようになっている。
Lattixは本日より英語版が出荷され、8月下旬には日本語版がリリースされる。また、テクマトリックスのWebサイトからは体験版をダウンロードすることもできる。
テクマトリックスと米国Lattix社がアーキテクチャ分析ツール「Lattix」の総販売代理店契約を締結
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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