はじめに
前回は、Pythonから出力したWebページを表示する方法を解説しました。今回は、本連載で扱うデータベースについて解説します。
本連載ではデータベースを使いますが、1番メジャーな「MariaDB」などの「MySQL」系のデータベースではなく「SQLite3」を使います。なぜならPythonの標準モジュールだけで使えるデータベースはSQLite3だけだからです。廉価なレンタルサーバでは「pip」でPythonの機能拡張ができないので、標準モジュールだけでPythonをプログラミングしなければなりません。本当はMySQL系の方がセキュリティの点でも、非同期に動作する点でも優れてはいますが、それはトレードオフです。
Visual Studio Codeの「SQLite3 Editor」拡張機能
単純にSQLite3だけでデータベースを扱うには「Visual Studio Code」を使って「SQLite3 Editor」で機能拡張するのがお手軽です。これを使えば、「SQL文」と言うデータベース用の専用言語をコーディングするだけで、Pythonを全く使うことなくSQLite3でデータベースを扱えます。またPage 3でPythonからSQL文を使ってSQLite3のデータベースを扱う方法を解説します。
Visual Studio CodeでSQLite3 Editorを準備する
次の図のようにVisual Studio Codeの「拡張機能(Extensions)」タブで、「SQLite3 Editor」を検索しインストールします。この拡張機能はPythonとは全く関係なく、Visual Studio Codeを拡張して、Visual Studio Code上でSQLite3のデータベースを使えるようにします。

「.db」ファイルを用意する
Visual Studio Codeで現在のフォルダに右クリックメニューの「New File」メニューで「.db」拡張子の空のファイルを作成します。ここでは「sqlite3.db」ファイルを作成しました。この「.db」ファイルに次の図のようにデータベースのテーブルやカラム(列)やレコード(行)などのデータが保存されます。

Query Editor
Visual Studio Codeでsqlite3.dbをダブルクリックします。それから次の図のように「Query Editor」タブをクリックします。次のサンプルコード「CREATE TABLE文」を入力し、「▷」でクエリを実行します。「クエリ(Query)」とはデータベースシステムに対して情報を検索・抽出・更新・削除などの操作を指示する命令文のことです。テーブルの作成にはSQL文「CREATE TABLE テーブル名 (カラム1 型,カラム2 型);」を使います。

CREATE TABLE new_table (new_column TEXT);
サンプルコードの解説
テキスト(TEXT)の「new_column」カラムを作って、「new_table」テーブルを作成します。
コラム「完全にその個人だけを識別するログインシステム」
この連載ではログインシステムは使いませんが、ログインシステムはIDとパスワードと昔から変わらないレガシーなシステムです。それで絶対他の人がログインできない仕組みを考えたいです。例えばスマホならタッチパネルを指サックをはめてタッチします。指サックに個人の情報が入っていて、これを使ってしかスマホを操作できないようにします。ただ指サックをなくしたらヤバいですが。