Amazon Aurora DSQLとは?
Amazon Aurora DSQL(Distributed SQL)は、サーバーレスで分散型のSQLデータベースサービスです。Aurora DSQLは、Amazon Auroraの強力な機能を活かしつつ、分散アーキテクチャを採用することで、スケーラビリティと可用性を向上させています。これにより、大規模なデータベースワークロードに対しても高いパフォーマンスを提供します。
第29回の記事では、Aurora DSQLのプレビュー版について紹介しましたが、今回はGA移行に伴う新機能や変更点について詳しく解説します。
GA移行に伴う主な変更点
AWSのブログに言及されているとおり、GA移行に伴う主な変更点は以下の3点です。
- コンソールエクスペリエンスの改善
- PostgreSQL機能のサポート追加
- AWSサービスとの統合
本記事では、この中からコンソールエクスペリエンスの改善およびAWSサービスとの統合について詳しく解説します。
コンソールエクスペリエンスの改善
Aurora DSQLのコンソールエクスペリエンスは、プレビュー版から変更が加えられています。その中からいくつか紹介します。
マルチリージョンクラスタの作成
プレビュー版では、マルチリージョンクラスタを作成する時に、リンクするリージョン(ペアとなるリージョン)を同時に作成することができましたが、GA版では、初期作成時に同時に作成することはできなくなり、後からリンクするリージョンを追加する形に変更されました。このようなUIの変更は、一見すると不便に感じるかもしれませんが、将来的な拡張性を考慮したものと考えられます。本稿執筆時点でマルチリージョンクラスタをサポートするリージョンは、バージニア北部、オハイオ、オレゴンの3つのリージョンのみです。今後サポート対象のリージョンが拡大すれば、後から柔軟にマルチリージョン構成を組めるようになることが期待されます。

マルチリージョンクラスタの作成時に、リンクするリージョンを指定しないで作成を行うと、下記画面のように「セットアップ保留中」という状態になります。

その後、「マルチリージョンクラスターのセットアップを完了する」ボタンをクリックすると、リンクするリージョンの設定を行うことができます。

この流れに沿ってリンクリージョンでのクラスタ作成操作を行うと、最初に作ったリージョンのクラスタが自動で設定されます。

最後にピア設定を行うことでマルチリージョンクラスタの作成が完了します。



CloudShellによる簡易接続
Aurora DSQLクラスタへ接続する際にCloudShellを利用する方法が簡素化されました。以下のように「CloudShellで開く」というメニューが用意されております。

どの権限(ユーザ)で接続するかが確認され、その後CloudShellが起動してログイン用のコマンドが表示されるため、「実行」ボタンをクリックするだけでシームレスにログインできます。

