マイクロソフト株式会社は9月19日、「次世代Webを体感する」をコンセプトとしたWebカンファレンス「REMIX07 TOKYO」を東京国際フォーラムで開催した。
マイクロソフト株式会社は9月19日、「次世代Webを体感する」をコンセプトとしたWebカンファレンス「REMIX07 TOKYO」を東京国際フォーラムで開催した。開発者やデザイナーを始め、Webに携わる幅広い層を対象としたイベントで、日本では昨年につぎ2回目の開催となる。今回は「Software + Services」をキーワードに掲げ、先進的なWeb体験の実例や可能性が豊富に紹介された。
次世代Webプラットフォームに対するアプローチ
冒頭のキーノートでは、同社 代表執行役社長のダレン・ヒューストン氏が、「ハードウェアやネットワーク環境が圧倒的な速さで進歩している昨今、将来的にはコンテンツやクリエイティビティがものをいう。そして、Webが世界の垣根を取り払っていく中で、最終的にそれらをどう顧客に提供していくかが問題だ。将来は、ソフトウェアとサービスを組み合わせたプラットフォームが主体になっていくだろう」と述べた。また同社では、今後そのような環境を構築するの必要な、絵画でいうところの筆・絵の具・キャンバスにあたる、ツールやインフラの提供に注力していくという。
また、米MicrosoftのToolsKeith Smith氏は、ユーザは、いつでもどこでも誰でも利用できるWeb(Universal Web)と、3Dや高画質ビデオなどによる高度なユーザ体験(Experience First)の両方を望んでいるとし、マイクロソフトではそのようなRIAの環境を「ASP.NET AJAX」「Silverlight」「WPF」といった技術で提供していくと述べた。Silverlightの利点には、「MacやFirefox、Safariといった様々な環境でも動作すること」「.NET開発のスキルを活かせること」「高画質のビデオを低コストで配信できること」などを挙げた。
マイクロソフトではサービスにも力を入れており、「Windows Live」「XBOX Live」「Offce Live」などで、コンテンツの制作コストや参入コストの低減に貢献する。また、高度なユーザ体験の提供には、アベイラビリティ(可用性)やセキュリティ、リライアビリティも重要なため、Windowsベースでのホスティング面でも協力していくという。
Silverlightの適用事例
各社により、いくつかのSiverlightの事例が紹介された。
- 株式会社 USEN
- NRIネットワークコミュニケーションズ株式会社
- GMOホスティング&セキュリティ株式会社
- TBS
- 株式会社リクルート メディアテクノロジーラボ
次世代プラットフォームを支える3つの要素
続いて、ジェネラルセッションでは、マイクロソフトが掲げる次世代プラットフォームの核となる「ツール」「サービス」「サーバ」個別の説明が行われた。
開発ツール
プロ用デザインツールの「Microsoft Expression Studio」が提供されたことで、開発者とデザイナーとの協業がしやすくなり、生産性が向上した。デザイナーがExpressionで作成したクリエイティブを開発者がVisual Studioで開き、JavaScriptのコーディングを追加するといったことが簡単に行える。なお、Visual Studio 2008では、JavaScriptまわりが強化され、インテリセンスによる動的なコード補間(変数に代入された内容が数値と文字列の場合によって、補間内容を切り替えるなど)や、VBやC#と同様のデバッグなどが可能となっている。
サービス
より価値のあるWebサイトを効率よく提供するための基盤として、次のようなサービスをWindows Liveで提供し、マッシュアップ用のインタフェースも提供する。
- Virtual Earth(地図)
- Live Search(検索)
- Silverlight Streaming(動画)
- Spaces Photo(写真)
- Live Contacts(連絡先)
- Live ID(認証)
中でも高度なユーザー体験を与えるために重要な要素として「3D」を挙げ、「Microsoft Visual Earth」を取り上げた。地形や主要都市を3Dで表示できるサービスで、「Webブラウザの中で3Dを実現できる」「3D画像が非常にリアル」なことが大きな特徴。モデリングには、飛行機から時間差で撮影した4枚の写真を解析して行う技術を利用しており、日本でも撮影が行われていて近いうちに公開できそうとのこと。また、3Dの地図上に設置するバナー広告などもテスト中だという。
その他に、ホビイスト向けにGUI操作で簡単にWebアプリケーションのマッシュアップが実現できる「Popfly」も紹介された。
サーバ
Windows Server 2008では、必要な機能だけを有効にすることができるようになった。最小限の機能に絞りこまれたServer Coreでは、GUI画面すらない。軽量化、コストの低減、セキュリティの向上が見込めるほか、Webサーバに特化したサーバ構成にも対応できるようになった。また、従来は高価なメディア配信サーバが必要であった配信機能がWindows Server 2008だけで利用できるなど、リッチメディアの配信にも適している。
今後の展望
マイクロソフトは今後の方針として、「今後もサービスを改善・拡張していくとともに、開発者・パートナーとのエコシステムを拡大していきたい。次世代Webの実現に向けて、ソフトウェアとサービスをユーザに適切な形で提供し、次世代Webを構築するための最適なプラットフォームを提供していきたい」とまとめた。
- 修正履歴
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- 2007/09/21 13:16 「野村證券 バーチャル店舗」のくだりを近日公開予定に修正
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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