米Microsoftは、統合開発環境「Visual Studio 2022 v17.7」において、C++によるゲーム開発におけるパフォーマンスや生産性を向上すべく、米Epic Gamesが開発したゲームエンジン「Unreal Engine」との統合を可能にしたことを発表した。あわせて、8月16日(現地時間)付のVisual Studio公式ブログにおいて、Unreal Engine使用の有無に関わらず、Visual Studioを用いたゲーム開発における優位性について紹介している。
MicrosoftのVisual Studio開発チームは大規模なC++によるプロジェクトにおける、さらなるパフォーマンス向上に取り組んでおり、ソリューションのロードとクローズを大幅に高速化した。さらに、C++ソリューションをはじめて解析する際にかかる時間を大幅に短縮したほか、コードに到達するまでの時間をさらに改善している。
初回実行時のC++プロジェクトの解析速度は、従来よりも3.2倍向上するとともに、コミュニティとゲーム開発者からのフィードバックによって、ソリューションのロードとクローズに重点を置くべく、追加のリソース割り当てが行われた。ソリューションのロードとクローズの高速化は、数値としては数秒ながら生産性のさらなる向上に寄与し、1日を通しての精神的なタスクの切り替えが軽減されることが期待されるという。
さらに、今回のUnreal Engineへの対応によって、Unreal Engineプロジェクトで作業している場合にUnreal EngineのIDEサポートを有効化できるようになり、Unreal Engineブループリントのすべてのリファレンスを検索することが可能になった。あわせて、コードをUnreal Engineの命名規則に準拠した状態に保つための命名規則チェッカ、Unreal Engineのマクロとスレート宣言構文への特別なインデントルールが追加されている。
そのほか「Visual Studio 2022 v17.7」では、すべてのC++開発者にとっての生産性向上を支援する、Doxygenコメントのサポート改善、マクロ展開の視覚化、ビルド時間の最適化などの機能追加・改善も行われた。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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