米Google Cloudは、データベースの管理を容易にする「Spanner」のマルチモデル機能を拡張して、事実上無制限の規模でのグラフ処理を可能にする、「Spanner Graph」を8月2日(現地時間)に発表した。
Spanner Graphは、業界標準のグラフクエリ言語(GQL)をサポートするとともに、SQLとの相互運用性を提供し、構造化データと接続データを1回の操作でシームレスにクエリできる。
開発者は、ナレッジグラフとグラフベースの検索拡張生成(GraphRAG)を使用して、AIアプリケーションを強化することが可能になり、小売業者はよりスマートなレコメンデーションエンジンを実装でき、金融サービス企業は高度な不正検出機能の提供が可能になる。
あわせて、Spannerにて全文検索とベクトル検索の提供も発表された。Spannerの新たな近似最近傍ベクトル検索は、GoogleによるScaNNアルゴリズムに基づいており、ベクトル埋め込みのインデックス作成と検索ができるようになり、AI主導のセマンティック検索の強化を可能にする。
Spannerは、Spanner Graph、全文検索、ベクトル検索によって、もっとも可用性が高くグローバルに一貫性があり、スケーラブルなデータベースであるとともに、シームレスに相互運用して新たなクラスのAI対応アプリケーションを提供できる、インテリジェントな機能を備えたマルチモデルデータベースへと進化した。
ほかにも、リアルタイムの組み込み分析機能を備えた大規模アプリケーションの構築をさらに容易にするBigtable分散カウンタの一般提供、およびCloud SQL for SQL Serverへのパフォーマンスを最大4倍向上して、99.99%のSLAによる高い可用性と高度な障害復旧を実現する、Enterprise Plusエディションの導入も発表されている。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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