米Salesforce.comの傘下であるHerokuチームは、オープンソース標準とクラウドネイティブテクノロジを基盤として構築された、最新のHerokuテクノロジスタック「Fir」を、12月3日(現地時間)に発表した。
Firは、アプリケーションの移植性、相互運用性、活気のあるエコシステムを実現し、Open Container Initiative(OCI)、Cloud Native Buildpacks(CNB)、OpenTelemetry、Kubernetes(K8s)といったテクノロジの採用によって、強力かつ非常に柔軟なプラットフォームを提供する。
業界標準のコンテナオーケストレーションシステムであるKubernetes上に構築されているため、より柔軟なdynoタイプを提供し、スペースごとに数百のdynoへのスケーリングが可能なため、アプリケーションのリソースとパフォーマンスをより細かく制御できる。なお、Kubernetesの複雑さは抽象化されているので、直接Kubernetesに触れることなくそのメリットを享受することが可能となっている。
基本的にFirはHerokuと同じものであり、Firではセキュリティと安定性を基盤にしつつ、必要に応じてカスタマイズできる柔軟性を備え、すぐに使えるシームレスな機能を提供する。具体的には、Cloud Native Buildpacksを使用してコンテナ化の複雑さを自動的に処理し、単一のコマンドでコードをデプロイ可能であり、Kubernetesをバックグラウンドで活用して、直感的なコントロールとインテリジェントなデフォルト設定により、アプリケーションを簡単にスケーリングできる。また、FirとHeroku Metrics製品に完全に統合されたOpenTelemetryによって、アプリケーションのパフォーマンスに関する貴重な洞察を得られる。
現在、HerokuチームはCedar Generation Private Spacesに相当するFir Private Spacesのパイロット版の提供を開始しており、今後はAWS VPC PrivateLinkおよびAWS Transit Gatewayによるアプリの公開を含むネットワーク機能の強化や、Firを活用したマルチテナンシーなど分離とサンドボックスの利用拡大、ソフトウェア部品表(SBOM)の生成と暗号化署名されたビルドの証明を含む、ソフトウェアサプライチェーンのセキュリティといった機能の導入を予定している。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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