月間70億件超のコミットを、GitHubは新しいGitアーキテクチャで支える──Copilot Fusionなど新機能も発表【GitHub Universe 2026】
「GitHub Universe 2026」Opening Keynoteレポート
複数リポジトリの作業を1つの目標で動かすCopilot Projects
続いて、Burke Holland氏が「Copilot Projects」を紹介した。サイドバーでプロジェクトを作り、対象のリポジトリをコンテキストに加えて、顧客がワンタップで「いつもの」注文を再注文できる機能を依頼する。「Copilotが、この機能に取り組むために必要な数のエージェントを立ち上げ、必要なリポジトリに応じて割り当てる」とParikh氏は補足した。
Holland氏は、デザインのモックやSlackの会話、法務とのTeams通話の内容を、実行の途中で次々に追加した。「追加のプロンプトを送るのに、エージェントの完了を待つ必要がない。1つ1つのエージェントのループを操作しているのではなく、Copilotのオーケストレーターとやりとりしている」とParikh氏は説明する。指示のたびに、新しいサブエージェントが動く。
紹介動画をCopilotに作らせ、新機能が出るたびに毎日自動で作る設定も見せた。エージェントはローカルでもクラウドでも動くので、ノートPCを閉じても作業は続き、完成したプルリクエストはプロジェクトの概要画面に並ぶ。「エージェントを細かく管理するのが好きな人は、いない。Copilot Projectsなら、その仕事から完全に抜け出して、成果に集中できる」とHolland氏は言う。Parikh氏は、この日からCopilot Projectsがすべての人に使えるようになったと告げた。
スマホで始めた作業が、レビューとマージを経て終わるまで
エージェントが書くコードが増えれば、プルリクエストもレビューもデプロイも増える。その中で品質をどう保つのか。Parikh氏の問いを受け、Damian Brady氏は、事前注文の機能が、カフェの閉店前に受け付けをやめるのに、サイトが顧客に伝えていないというバグを、スマートフォンからCopilotのセッションに任せた。セッションはクラウド上のサンドボックスで動くので、VS Codeなどに引き継げる。Parikh氏によれば、これらはすべて同じCopilotのハーネスで動き、Microsoft全体にも展開済みだ。同日から、Microsoft Foundryでもこのハーネスを使ってエージェントを作れる。
「問題なし。終わったら、PRを作って」と伝えたBrady氏は、別の作業に移った。「足りないのはエージェントではなく、注意力と時間だからだ。私は、とてもシングルスレッドなのだ」。
本番では、サイトのボタンが500エラーを返していた。詳細はSentryのカスタムキャンバスに映る。「どうしてボタンをクリックしているのだろう。こういうことは、自動で起きるべきだ」。その自動化が「Copilot Automations」で、クラウドで動き、イベントへの応答、スケジュール、手動のいずれでも起動できる。使えるツールを限定でき、たとえばプルリクエストは作れてもマージはできない、と設定できる。使う金額の上限も決められる。「エージェントが暴走してAIクレジットを使い切ることはない。クレジットは無料ではないから」。別のリポジトリでは、Issueの作成から振り分け、再現、修正、検証までを、専門のオートメーションが連携して担っていた。
セキュリティでは、コードスキャンがAIで対応言語を広げ、見つけた脆弱性を修正案つきのプルリクエストにできる。Brady氏がシークレットをファイルにコミットしてプッシュすると、そのシークレットはリポジトリに届く前にAIで検出された。照合のパターンを用意する必要はなかった。
プルリクエストは、人が見る前にCopilotのコードレビューを通る。Parikh氏によると、昨年始まったこのレビューは、これまでに2億件の指摘を示してきた。この日、最も深いレベルで確認する「Copilot Code Review Max」が加わり、ReviewBenchで、重大度の高い問題について最高のF1スコアを記録したという。コードレビューは、Copilotのサブスクリプションがなくても、AIクレジットで誰でも使える。
関連する作業は、スタックドプルリクエストでまとめる。UIの変更、エンドポイント、土台のサービス、データの変更を別々に分けたまま、まとめても1つずつでもマージできる。コードの流入が多く、レビュー前にプルリクエストが古くなる問題には、「Agent Merge」がフィードバックへの対応、CI(継続的インテグレーション)の失敗の修正、コンフリクトの解消を担い、すべてのチェックが通ればマージする。「スマホで取りかかったあのIssueは、実質的に終わりだ。これが、私の1日だ。自動化され、整理され、最初から最後まで安全だ」とBrady氏は言った。
Parikh氏はもう1つ告げた。この日から、GitHub Enterpriseの契約者は、別のサブスクリプションなしでCopilotの全機能を使える。「Enterpriseの開発者全員が、Copilotアプリ、コードレビュー、Automations、そのほか、はるかに多くを使え、支払うのは、AIクレジットだけだ」。ブログによると、既存のCopilot BusinessとCopilot Enterpriseの契約者は、現在のプランのままでも、移行してもよい。
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近藤 佑子(編集部)(コンドウ ユウコ)
株式会社翔泳社 CodeZine編集部 編集長、Developers Summit オーガナイザー。1986年岡山県生まれ。京都大学工学部建築学科、東京大学工学系研究科建築学専攻修士課程修了。フリーランスを経て2014年株式会社翔泳社に入社。ソフトウェア開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集・企画・運営に携わる。2018年、副編集長に就任。2017年より、ソフトウェア開発者向けカンファレンス「Developers...
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