インターシステムズジャパンは25日、オブジェクトデータベースの最新版「InterSystems Caché(キャシエ) 2010.2」をリリースした。
Cachéはオブジェクト指向言語のオブジェクトデータをそのまま永続化するような形で格納するデータベースで、データを多次元の階層構造として扱うように設計されている。一般のリレーショナルデータベースに比べ、複雑な構造のデータの扱いに適しており、実行速度やスケーラビリティに優位性があるとされている。また、データを極力メモリ上で扱うことによる高速な動作も特長。
オブジェクト形式でのデータアクセスに加えてSQLでのアクセスにも対応しており、Windows、UNIX、Linuxといったクロスプラットフォームをサポートしている。Cachéオブジェクトは専用のロジック開発言語の他に、Java、.NET、C++などとの連係もサポート。ODBCによるAPIも提供されるため、既存技術を活かしやすくなっている。
今回は新機能として「データベースミラーリング」と、Javaとダイレクトアクセスしてインメモリデータベース並みの速度で履歴データ・トランザクションデータを永続化する「Caché eXTreme」との大きく2つが追加された。
データベースミラーリングは実装のニーズが高かった高可用性を実現する機能で、リカバリーまでの設計目標が10秒以内に設定されており、ファイブナインのSLAが想定されている。Caché eXTremeは膨大なトランザクションが発生する環境でCachéを活用するための機能。今年5月に採用が発表された欧州宇宙機関による銀河調査ガイアミッション(銀河で観察可能な全ての天体の正確な3Dマップを作るプロジェクト)のように、高性能のデータアクセスが要求される環境において真価を発揮する。
価格は構成により1ユーザーあたり28,000円から178,950円。
【関連リンク】
・InterSystems Caché
・インターシステムズ 佐藤比呂志氏ブログ(銀河調査ガイアミッション関連のエントリ)
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