本連載では3~5年先の未来に使われる技術を研究している、さくらインターネット研究所に蓄積された研究成果を元に、Webサービスで今後必要とされる技術ノウハウを紹介します。今回は10Gigabit Ethernet NICドライバのインストールについて見ていきましょう。
8月1日開催のイベント「Developers Summit 2013 Summer」(夏サミ2013)で、10Gigabit Ethernetの実践的な使いどころのほか、さらにその先の40Gigabit Ethernetに関する考察も紹介されます。ぜひご参加ください!
- 「Webサービスのための10/40Gigabit Ethernetの可能性」(セッション紹介ページ)
lspciのインストール
最初の手順として、すべてのPCIデバイスを確認するツールであるlspciを最新にします。なぜなら、lspciのバージョンが古い場合、10Gigabit Ethernet NICのデバイス接続情報が正しく表示されない場合があるからです。
1)最新のpciutilsをダウンロードし、インストールする
# wget https://www.kernel.org/pub/software/utils/pciutils/pciutils-3.2.0.tar.gz # tar xzvf ./pciutils-3.2.0.tar.gz # cd pciutils-3.2.0; make install # lspci --version lspci version 3.2.0
Intel 82599EBドライバのインストール
10Gigabit Ethernet NICドライバは各メーカーから提供されており、最近の10Gigabit Ethernet NICドライバはOSにプリインストールされている場合もあります。しかしNICドライバは継続的にソフトウェアのメンテナンスが行われますので、最新の10Gigabit Ethernet NICドライバ環境とすることをオススメします。
1)PCIデバイス接続を確認する
# lspci -vv
03:00.1 Ethernet controller: Intel Corporation 82599EB 10-Gigabit SFI/SFP+ Network Connection (rev 01)
Subsystem: Super Micro Computer Inc Device 0611
Control: I/O+ Mem+ BusMaster+ SpecCycle- MemWINV- VGASnoop- ParErr- Stepping- SERR- FastB2B- DisINTx+
:
Kernel driver in use: ixgbe
Kernel modules: ixgbe
2)ドライバのダウンロード
3)ドライバのインストール
# tar xzvf ./ixgbe-3.15.1.tar.gz # cd ixgbe-3.15.1/src ; make install
4)カーネルモジュールの確認
# modinfo ixgbe filename: /lib/modules/2.6.32-358.6.1.el6.x86_64/kernel/drivers/net/ixgbe/ixgbe.ko version: 3.15.1 license: GPL description: Intel(R) 10 Gigabit PCI Express Network Driver author: Intel Corporation, <linux.nics@intel.com> srcversion: 9355E6A8DE2F272233819DA :
Broadcom NetXtreme IIドライバのインストール
つぎにBroadcom NetXtreame II 10Gigabit Ethernet NICドライバのインストールを見ていきましょう。lspciによるPCIデバイス接続は省略しますが、しっかりとPCI Express上のデバイスとして10Gigabit Ethernet NICが認識されていることを、事前に確認してください。Broadcomの10Gigabit Ethernet NICは、数多くのベンダにもOEM供給されています。例えば搭載NICが分からない場合などは、lspci -vvなどのコマンドでチップ型番を調べてみると良いでしょう。
1)ドライバのダウンロード
2)ドライバのインストール
# tar xzvf ./netxtreme2-7.4.27.tar.gz # cd netxtreme2-7.4.27; make ; make install
3)カーネルモジュールの確認
# modinfo bnx2x filename: /lib/modules/2.6.32-220.23.1.el6.x86_64/updates/bnx2x.ko version: 1.74.22 license: GPL description: Broadcom NetXtreme II 10G/20G Ethernet Driver author: Eliezer Tamir srcversion: 783F179285B827560DCB8C3 :
Solarflare SNFxxxxドライバのインストール
では、Solarflare SNFxxxx 10Gigabit Ethernet NICドライバのインストールを方法を見ていきましょう。
Solarflare SNFxxxx 10Gigabit Ethernet NICドライバは、少し今までのドライバとは異なる構造をしています。そのためインストール方法やツールも若干異なる点に注意してください。
1)ドライバのダウンロード
2)ドライバのインストール
# unzip SF-107601-LS-16_Solarflare_Linux_Utilities_RPM_64bit.zip # rpm -ivh sfutils-3.4.0.6405-1.x86_64.rpm # sfupdate # sfupdate --write Solarstorm firmware update utility [v3.4.0] Copyright Solarflare Communications 2006-2013, Level 5 Networks 2002-2005 eth0: updating controller firmware from 3.2.1.6100 to 3.3.0.6269 eth0: will be disabled during controller firmware update : eth0: saving old controller firmware to /var/lib/sfutils/MCPU_3_16_v3.2.1.6100.dat eth0: writing controller firmware [100%] Complete [100%] Completeg adapter
3)カーネルモジュールの確認
# modinfo sfc filename: /lib/modules/2.6.32-220.23.1.el6.x86_64/kernel/drivers/net/sfc/sfc.ko license: GPL description: Solarflare Communications network driver author: Solarflare Communications and Michael Brown <mbrown@fensystems.co.uk> srcversion: FD7AF0ECCCBF1333E8EC1A9 :
ここまでは、異なる3つの10Gigabit Ethernet NICドライバのインストール方法を紹介しました。
ご覧いただいた通り、ベンダによっては10Gigabit Ehternet NICドライバ構造も異なっています。また、古いOSを使っていた場合には、PCIデバイス接続を確認するツール自体が10Gigabit Ethernet NICやPCI Express 3.0に対応していない場合もあります。現在はさらに高速な40Gigabit Ethernet NICが市販化され、段階的に市場にも浸透し始めてきました。
そのため、高速ネットワーク・インターフェースを設定する際に注意が必要な点として、まずはOS上でドライバや各種ツールが適切に動作しているかどうかを確認することが挙げられます。
さて最後は、少し変わった10Gigabit Ethernet NICについて見ていきましょう。
Interface Masters Technologies 6Port 10GbE NIC
現在もっとも多ポートを搭載した10Gigabit Ethernet NICに、Interface Masters TechnologiesのNIAGARA 32716があります。筆者の研究所でも評価を行っており、10Gigabit Ethernet NIC ControllerはIntel 82599EBとまったく同じであることは確認しています。複数サーバを10Gigabit EthernetでSwitchを介することなく接続したい場合には有効です。
10Gigabit Ethernet Switchは低価格化が進んできましたが、やはりまだ高額であり、また少ないポート数の10Gigabit Ethernet Switchは市場にそれほど出回っていません。こういった観点からも、小規模の10Gigabit Ethernetクラスタ・システムを組む場合にはNICによる対応が良いのかもしれません。
次回予告
ここまで10Gigabit Ethetnet NICドライバのインストールとモジュール動作の確認方法を見てきました。
次回は10Gigabit Ethernet NICを接続するケーブル・コネクタおよび10Gigabit Ethernet Switchについてご紹介します。
8月1日開催のイベント「Developers Summit 2013 Summer」(夏サミ2013)で、10Gigabit Ethernetの実践的な使いどころのほか、さらにその先の40Gigabit Ethernetに関する考察も紹介されます。ぜひご参加ください!
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- この記事の著者
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松本 直人(マツモト ナオト)
1996年より特別第二種通信事業者のエンジニアとしてインターネット網整備に従事。その後システム・コンサルタント,ビジネス・コンサルタントを経て2010年より,さくらインターネット株式会社 / さくらインターネット 研究所 上級研究員。(2016年より一時退任)研究テーマはネットワーク仮想化など。3~5年先に必要とされる技術研究に取り組み、世の中に情報共有することを活動基本としている。著書: 『モノのインターネットのコトハジメ』,『角川インターネット講座 ~ビッグデータを開拓せよ~』など多数。情報処理学会 インターネットと運用技術研究会 幹事
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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