10GbEケーブルを理解する
10Gigabit Ethernet NICとSwitchを接続する場合には、現在3つの選択肢があります。SPF+moduleとcopperがセットになったTwinax cable、RJ45コネクタのまま使う10GBASE-T(Cat7)、そして光ファイバーを用いるSPF+moduleです(図1)。
光ファイバーに比べメタルケーブルでつなぐTwinax CableとCat7ケーブルは距離を伸ばすことができません。データセンター内で使う場合には、Top of Rack(ToR)SwitchとServerの間をつなぐのに用いるのが良いでしょう。
10GbE向けのケーブルは、いままでのRJ45ケーブルだけ見ても強固にシールドが施されているのが分かります(図2)。光ファイバーケーブルほど取り回しには苦労しませんが、いままでの1GbE向けのケーブルとは異なっている点をしっかりと理解しておく必要があるでしょう。SPF+とRJ45のどちらを選択するかはネットワーク設計の現場により異なるとは思いますが、ケーブル長で悩む場合にはSPF+形状を選択することオススメします。
10GbEスイッチを理解する
10GbEスイッチもやっと普及期に入りつつあり、各社からの製品も出揃ってきました。ここでは、その一例を見ていきましょう。現在1Uサイズでもっとも多ポートの10GbEスイッチは、64Portの機材がすでに提供されています(図3)。これだけ多ポートであれば、十分に19インチラック1本分のサーバーを収容することは可能ですし、またシステムを拡張するのも容易です。
さらに将来性を見据えて、40GbE Portと10GbE Portが混在した機種も出てきました(図4)。システム構成としては、IP-SAN(Storage Area Network)とLANを混在させた十分な帯域幅を持つネットワークを構築する際に、こういったスイッチが有効になるでしょう。また、昨今のストレージシステムのSSD化に伴い、広帯域で接続するIP-SAN製品も、今後多数でてくることと思われます。
さらに40GbEスイッチにも新たな動きが出ています。現在製品出荷前ですが、12-Port 40GbEスイッチが出てきました(図5)。この製品は1Uハーフサイズと小さく、10/40GbE Breakout Cableを使うことで、48Port 10GbEスイッチに変身できると紹介されていました。今後の10/40GbE製品の充実は、高速化を続けるCPUとSSDなどストレージの性能を十分に活用するために不可欠であり、システムエンジニアとしては事前に理解を深めておく必要があります。
次回予告
今回は、10Gigabit EthernetのNIC・ケーブル・スイッチの物理構成について見てきました。次回は、10Gigabit Ethernet環境を使った性能比較について紹介していきます。