レッドハットは、同社のPaaS(Platform as a Service)構築製品の新バージョン「OpenShift Enterprise 3」の日本国内での販売を本日より開始した。Linuxコンテナの最有力ツール「Docker」と、コンテナ間のオーケストレーションを実現するツール「Kubernetes」を、同社のLinux OS「Red Hat Enterprise Linux 7」に組み込んでおり、Linuxコンテナの利用環境をオンプレミスで構築したい企業や、データセンター事業者、クラウドベンダーを主なユーザーとする。
PaaSを構築する基盤製品として、OpenShift Enterprise 3は異色の存在といえる。PaaSの一般的な特徴といえば、使いたいミドルウェアやライブラリを選択するだけで使用可能になることだが、OpenShiftの場合、むしろIaaS(Infrastructure as a Service)の上にアプリケーション動作環境を構築することのみをもってPaaSと位置づけている印象だ。レッドハット プロダクト・ソリューション事業統括本部 ミドルウェア事業部 事業部長の岡下浩明氏も、国内販売開始の発表会において「OpenShift Enterprise 3は、単にPaaS基盤といっては“もったいない”製品」と他のPaaSとの違いをアピールした。
OpenShift Enterpriseは、バージョン2でもギアとカートリッジという名称で独自のアプリケーションコンテナを提供していた。バージョン3では、それを急速に普及が進むDockerに切り替えたといえるだろう。
また、エンタープライズ領域でDockerを利用するために必要な運用管理機能を、Googleと共同で開発を進めているKubernetesで提供する。その他、Webコンソールやコマンドラインツール、統合開発環境インターフェイスなども搭載。Source to Imageと同社が呼ぶビルド機能により、Dockerイメージのビルドプロセスを自動化できるという。PHP、Ruby、Node.js、Python、MySQL、PostgreSQL、MongoDB、JBoss、TomcatといったOSSのミドルウェアや実行環境と、それらを含むDockerイメージの作成を支援するテンプレート(57種類)も含まれている。
OpenShift Enterprise 3の価格は、1年間の使用で63万9600円より(2コア以上)。なお、年内にリリース予定のバージョン3.1では、スケールアウト機能とパラメータによるオートスケール機能が追加される。
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