リクルートテクノロジーズは、ほぼ日、シロップ、日本アイ・ビー・エムとの協働による、鼻紋写真による犬の個体識別に関する実証実験を、4月10日に開始した。
鼻紋は、人の指紋と同様に経年変化がなく、一卵性双生児でも異なる模様なので、個体識別への活用が可能だが、日本では畜産業界(和牛)でしか用いられておらず、その方法もインクと和紙を使用したアナログなものが主流だった。
一方、犬の確実な個体識別方法として、マイクロチップの埋め込みが推奨されているものの、「痛そうでかわいそう」「費用が高い」といった理由から、普及率は約15%に留まっている。
リクルートテクノロジーズは、こういった現状を受けて、撮影した犬の鼻紋がどの犬に近いかをDeep Natural Networkで判別し、その上位数件に対してデータベース化されている照合元画像と、撮影した照合先画像の特徴点を算出し、その特徴点のマッチ数によって自動で同一か否かを識別する「自動照合技術」を開発した。
さらに、鼻の位置特定のために犬の顔に6点のポインターを付与して学習させた「顔のパーツ位置検出モデル」を利用し、撮影時に自動で鼻へフォーカスし、鼻のポインターを中心に画像を正方形でトリミングする「自動検知・撮影技術」を開発。犬の顔全体が画面上にある状態を担保するため、額のポインターが画面上部にあることをフォーカス条件に設定し、手ブレが発生した場合はその画像を使用しない仕組みを採用する。
リクルートテクノロジーズでは、これらの技術の活用先の1つとして、「迷子犬の捜索を容易にするアプリ」の制作などを想定しており、近しい特徴点を持つ兄弟犬や、より多くの犬種への対応など、実用に耐えうる識別精度を実現すべく、犬猫写真投稿SNS「ドコノコ」を運営するほぼ日や、ペットテックスタートアップのシロップ、日本アイ・ビー・エムとの協働で実証実験を行う。
なお、鼻紋写真による犬の個体識別技術には、リクルートテクノロジーズ内の部署であるデータテクノロジーラボ部が開発・運用し、2017年3月16日に無料公開した、機械学習を用いたソリューションAPI群「A3RT」の一部を活用している。
【関連リンク】
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・ほぼ日
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・「A3RT」
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