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GCPが注目を集める背景と、ITエンジニアがGCPをいま学ぶべき理由とは

学ぶなら今! GCPエキスパートになるための学習方法 第1回

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目次

Google Cloud Platformとは

Googleのミッション

 Googleは、「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする」というミッションを掲げ、Google検索、YouTube、Gmailなど世界中の人々が使えるクラウドサービスを展開してきました。これらのサービスは、それぞれ10億人以上のユーザーがいるとされています。そして、これらを支えているプラットフォーム(インフラ)を、一般ユーザーにも使えるようにしたものが、Google Cloud Platform(GCP)です。

 では、他のパブリッククラウドと比較して、GCPにはどんな特徴があるのでしょうか。

スケーラブルなインフラ

 まず、前述の通り、Googleが実際に展開しているサービスを支えているプラットフォームを使えるという点があります。すでに、10億人以上が使っているという実績があるので、安心して高品質でスケーラブルなインフラ環境を使うことができます。なお、2017年のGCPの稼働率は、99.977%でした。

 また、世界規模の高速ネットワークを自前で持っているという点は、大きな特徴と言えるでしょう。Googleのネットワークは、数十万マイルにおよぶ光ファイバーと8本の海底ケーブルで構成されており、世界中が一つのプライベートネットワークで繋がっています。しかも、GCPのロードバランサーは、ひとつのグローバルIPで、世界各地のリージョンをまたいで負荷分散ができるばかりか、秒間100万リクエストさえも捌いてしまうほど強力です。これらは、他のパブリッククラウドにはないアドバンテージと言えるでしょう。

Googleのネットワーク
Googleのネットワーク(出典:Google Cloud Platform Japan Blog

ライブマイグレーション

 AWSやAzureなど、他のパブリッククラウドのユーザーなら、メンテナンスのための計画停止・再起動を経験したことがあるのではないでしょうか。ところが、GCPにはそれがありません。なぜなら、10億人以上のユーザーが利用しているサービスを止めるわけにはいかないからです。

 では、どのように実現しているのでしょうか。実は、GCPにはライブマイグレーションという技術が活用されています。ライブマイグレーションは、ある物理サーバで稼働中のVMを、他の物理サーバ上に無停止で移動する技術です。しかも、Googleが自動的に実行してくれるばかりか、ネットワークのパケットロスやTCPの接続切れが起きないため、GCPユーザーにも気づかれないうちに完了します。

GoogleのAI

 機械学習や深層学習(ディープラーニング)の代表的なライブラリとして、GoogleのTensorFlowが挙げられます。TensorFlowは、Googleが開発したオープンソースで、Googleのプロダクト開発に実際に活用されていることもあり、現在最も利用者が多い機械学習ライブラリとも言われています。このことから、TensorFlowは機械学習ライブラリのデファクトスタンダードと言えるでしょう。

 またGoogleは、TPU(Tensor Processing Unit)と呼ばれる、TensorFlowの処理に最適化されたプロセッサを自社開発しており、2018年6月からGCPユーザーが利用できる「Cloud TPU」を正式に提供(GA)しています。なお、このTPUは現在、第3世代(TPU 3.0:現在アルファ版)となっており、進化を続けています。

 ところで、豊富な経験や知識を持つ機械学習エンジニアが、TensorFlowを活用し、オリジナルの学習モデルを構築する事例がある一方で、Cloud Vision APIや、Speech to Text APIなどの学習済みモデルを使って、新しいソリューションを開発する例も多く見受けられます(クラウドエースの『GennAI』もその一例です)。

 このように、機械学習の分野は、一からオリジナルのモデルを構築するパターンと、すでにあるものを組み合わせて構築するパターンに二極化していると言われていましたが、Googleは、この中間を埋めるべく「Cloud AutoML」を発表しました。この「Cloud AutoML」は、機械学習やコーディングの専門知識がなくても、学習させたいデータがあれば、誰でもカスタマイズされた機械学習モデルを構築できるサービスです。現在は、「AutoML Vision」「AutoML Natural Language」「AutoML Translation」の3つのサービスが提供されています(いずれもベータ版)。

 その他、ペタバイト級のデータを高速に処理するデータウェアハウス「BigQuery」に機械学習機能を搭載することによって、SQLで機械学習モデルの構築や予測ができる「BigQuery ML(ベータ版)」、エッジデバイス向けASICチップ「Edge TPU(2018年10月より提供)」を発表するなど、GoogleのAIはあらゆる分野、あらゆる層に向けて門戸を開いています。

 「AIを全員の手に」

 この、Googleの合言葉が示すように、GoogleのAIは、いつも私たちのそばにあるのです。

Googleの成長性

 2017年10月〜12月四半期、Googleのクラウド事業の売上高は、なんと1000億円を突破(GCPとG Suiteの合計)[3]。GCPが好調であることを物語っています。具体的には、コンピュートサービスの利用時間は3倍、ストレージサイズは2倍、BigQuery(データウェアハウス)の利用は4倍、そして、Google Kubernetes Engine(コンテナ)の利用時間は、なんと9倍の成長を見せています。

 こうしたことからも、GCPがパブリッククラウド市場において急成長していることは間違いないでしょう。

[3] 出典:ZDNet Japan「AWS、MS、グーグル、IBMなど各社クラウドの現在地--決算や戦略から読み解く」(2018年3月5日)


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連載:学ぶなら今! GCPエキスパートになるための学習方法
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