エンジニア自身がやりたいことを発案する
戸倉 2019年6月に開催された女性エンジニアのためのカンファレンス「WOMAN TECH TERRACE」に登壇させていただきました。特に女性エンジニアが少ないといった現状に「少ない」と言うだけの会社は多いですが、その問題に対し企業が支援しようと開発者を集めたイベントをするというのはすごいことだと思います。
長瀬 それも、エンジニアから「やりたい」と提案があったので、それならば会社として支援したい、として決まったことの1つです。
サイバーエージェントには、このようにエンジニアからの提案によってスタートする施策やイベントが多くあるのですが、それは定期的にエンジニアが代表の藤田に対して、提案する機会があるからです。毎回5〜6人のチームがいくつかでき、会社の課題やもっとこうしたほうがいいと思っていることを直接藤田に提案する。ここから生まれることは非常に多いです。
戸倉 イメージ的に社内「マネーの虎」的な感じですかね? その場で決定権のある人が決めちゃうと。
長瀬 そうですね、その場で全部決めちゃう感じですね。戸倉さんに登壇いただいた「WOMAN TECH TERRACE」もエンジニアが自分でやりたいと言い出して、社内で運営メンバーを募り、企画をして、登壇者を決めて、というのを本業以外に注力してがんばってやっている。それを会社が一緒になって手伝う。費用面も含めて。
戸倉 イベントの運営はどういう形でサポートされるのですが?
長瀬 サイバーエージェントには「スーパー推進ズ(通称)」という宝のような部署がありまして、全社でこれをやろうと決まったら、会場の手配や、グッズ作成、当日の運営サポートなど、きめ細かくサポートしてくれるのです。
そのほかにも、社内のエンジニアをコネクトするミッションを持つチームも存在し、たとえば海外カンファレンス参加で得てきた知見を社内で共有したい、といったケースでも、集客や場所の手配、飲み物の用意など、細かい部分をサポートしています。
戸倉 サイバーエージェントさんというと、テックカンファレンスを主催するケースが多い印象です。先の女性エンジニアのためのカンファレンスもそうですし、自社だけで完結しないカンファレンスというのが特徴的ですよね。
長瀬 手前味噌ですが、うちはとにかく性格がいい人が多い。相手のことを気遣えたり、世の中のために何かやりたいというエンジニアが多いのだと思います。
戸倉 たとえば、社内でイベントをやるというとき、あちらの部署、こちらの部署でもやっている、そのノウハウを共有しようという動きがあったりしますか?
長瀬 会社として動いていることは特にありませんが、そういう人たち同士がつながっていることが多いので、特定の人にだけにノウハウが溜まっているという感じではありません。
最近、社内のみんなに言っているのは、トランザクティブメモリーという前提で、ナレッジを一生懸命溜めるというよりは、誰が何について詳しいかを知っている状態を作るのが大事ということです。「人をとにかくコネクトする」「人が作った資産をコネクトする」ことで、何かについて、これならxxに聞こう、という状況を作ろうとしています。社内限のカンファレンスに力を入れたり、ゼミ活動[1]、部活など交流できる機会の創出に力を入れる意図というのは、結局は人と人とをつなげてしまえばあとはみんなうまくやるでしょうという発想のほうが大きいかもしれません。
[1] サイバーエージェントには、大学の研究室やゼミのように少数メンバーで集まり、研究テーマに沿って活動を行う制度がある。
