CodeZineに寄稿いただいている執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表の山田祥寛さんのKindle本『速習 TypeScript 第2版』が3月29日に刊行されました。altJSのデファクトスタンダードである「TypeScript」について、必要な知識がギュッと凝縮されたコンパクトな一冊です。3年を経てボリュームも倍近くアップしました。
本書は、altJS(JavaScriptの代替言語)であるTypeScriptの解説書です。TypeScriptの基本を9つのPartに分けて、サンプルコードとともに詳しく説明しています。Appendixでは、Visual Studio Codeによる開発やtsconfig.jsonの簡易リファレンスも紹介しています。
コンパクトにまとめた電子書籍なので、短時間読むことができます。この機会に、最新TypeScriptを習得してみませんか。
担当編集者からのコメント
WINGSプロジェクト刊行のKindle電子書籍です。
隙間時間にサクッと読める軽めの本をコンセプトとした「速習」シリーズの最新刊となります。同シリーズでは、これまで『速習 ASP.NET Core 3』『速習 Laravel 6』『速習 ECMAScript 2019』『速習 Kotlin』などを送り出してきました。
本書は、必要な情報を極力コンパクトにまとめ、「軽さ」を重視したシリーズ。冗長な前置きなしに、すぐに具体的な解説に入るため、特に他の言語の経験がある方にとっては、「差分の知識」を短時間で習得いただけるのではないかと思います。
内容は、altJS(JavaScriptの代替言語)として注目を浴びているTypeScriptの解説書です。2017年に刊行した「速習 TypeScript」の改訂版で、書籍の構成も改め、バージョンも最新の3.8に対応しています。
「JavaScriptと何が違うの?」「難しくないの?」と、気になる方のために、少しだけ本の冒頭を覗いてみましょう。
TypeScriptは、Angular、Vue.jsなどのJavaScriptフレームワークでも標準採用されており、フロントエンド開発に携わる者であれば、欠かせない知識の一つです。
(…中略…)
数あるaltJS言語の中でTypeScriptは最も知名度も高く、勢いのある言語です。このため、他のaltJSと比べても、コミュニティの活動が活発で、関連するドキュメント/周辺環境が充実しています。
(…中略…)
TypeScriptをひとことで言うなら、静的な型(Type)システムを備えた、JavaScriptのスーパーセットです。JavaScript構文の正当な拡張なので、本来のJavaScriptコードがほぼそのままで動作しますし、TypeScript構文に書き換えるのも容易です。
(…中略…)
ECMAScriptは、標準化団体ECMA Internationalによって標準化されたJavaScriptです。TypeScriptでは、ECMAScriptで採択された仕様をいち早く取り込んで利用可能にしています。TypeScriptを学ぶとは「JavaScriptの新しい仕様をいち早く学ぶこと」と言い換えても良いでしょう。
いかがでしょうか。冒頭のほんの一部だけですが、少し興味がわいてきたでしょうか。「もっと知りたい」と思われた方はぜひ、続きを読んでみてください。
各機能をシンプルなサンプルコードとともに解説しています。サンプル一式は、サポートサイトからダウンロード可能です。ぜひ入手して、実際に自分で動かして試してみてください。
一般読者からのコメント(熊五郎さん)
私はJavaScriptの基礎くらいは分かるレベルで、リファレンスを見ながら時々コーディングしている程度のスキルです。TypeScriptは前から気になっていて、勉強しないとな、と思っていたので、今回がちょうど良い機会となりました。
まず、「速習」というタイトルどおり、あっという間に学習できます。要点がコンパクトにまとまったスマートな本で、全体を1日で読むことができました。
以下、良かった点をまとめます。
- ほとんどのサンプルがPlaygroundを使って確認できる
- TypeScriptの学習と合わせて、JavaScript(ES)の勉強もできる
- 新機能について、バージョン番号が書いてある
- プラスアルファなポイント解説がされている
- Visual Studio Codeでの開発方法が載っている
- tsconfig.jsonの簡易リファレンスがある
新しい言語を学ぼうとすると、大概、環境の準備で1日終わってしまうのですが、ブラウザさえあれば、すぐに学習を始められるのは便利でした。また、『アクセス修飾子privateと「#」によるプライベートフィールドの違い』など、ちょっと気になる箇所についてもフォローされているのが、有難かったです。
以下は、少し難しかったところです。
- Lookup Types、Mapped Types、Conditional Typesなど、型情報を抽出/変換する方法
- モジュール
- ジェネリック
特に前者はTypeScriptの真骨頂だと思うので、時間のある時に読み直したいと思います。いずれにせよ、コンパクトなページ数で、中身は濃いお勧めの一冊です。
仕様
- 書名:『速習 TypeScript 第2版』
- 著者:山田祥寛
- 出版社:WINGSプロジェクト
- 頁数:192ページ
- 定価:636円(+税)
- 色数:4色
- 刊行日:2020年3月29日
目次
Part 1:イントロダクション
- JavaScriptの代替言語 - TypeScript
- TypeScriptの主な特徴
- TypeScript学習の準備
- 対象読者
- サンプルプログラム
Part 2:変数/データ型
- 変数を宣言する - let命令
- リテラル表現
- データ型を明示的に変換する - 型アサーション
- 補足:もうひとつの変数宣言 - var命令
- 定数を宣言する - const命令
Part 3:配列・連想配列・列挙体・タプル
- 基本的な値の集合を表す - 配列
- 文字列キーで管理する配列 - 連想配列
- 関係する定数を束ねる - 列挙型
- 複数の型が混在した集合を表す - タプル型
Part 4:関数
- 関数の基本構文
- 関数でよく利用するデータ型
- 関数のさまざまな表現
Part 5:高度な型
- 共用型
- 型ガード
- null非許容型
- 型エイリアス
- 文字列リテラル型
Part 6:オブジェクト指向構文
- クラスを定義する - class命令
- クラスの内外からのアクセスを制御する - アクセス修飾子
- コンストラクターとプロパティ設定
- getter/setterアクセサー
- 静的メンバー
- 継承
- インターフェイス
Part 7:型注釈としてのインターフェイス
- インターフェイスの基本
- さまざまな型注釈
- 型の互換性
- keyof/Lookup Typesによる型の切り出し
- 既存の型を変換する - Mapped Types
- 条件に応じて型を振り分ける - Conditional Types
- 型変換を補助する「ユーティリティ型」
Part 8:モジュール
- モジュールの定義
- モジュールのインポート
- import/exportのさまざまな記法
- 名前空間
Part 9:高度なプログラミング
- ジェネリック(総称型)
- デコレーター
- 型定義ファイル
Appendix
- Visual Studio Codeによる開発
- tsconfig.json簡易リファレンス
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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