Canonicalは、「Ubuntu 20.04 LTS」および「Ubuntu 18.04 LTS」上でのオープンソースのクラウド基盤「OpenStack Ussuri」の一般提供を、5月13日に開始した。
今回のOpenStackアップストリームのリリースでの改善点は、Open Virtual Networking(OVN)ドライバと、企業がオープンソースのSoftware-Defined Networking(SDN)プラットフォーム上で高い可用性のワークロードを実行できるようにするMasakariプロジェクトを中心とした安定化への取り組みとなっている。
具体的には、OVNドライバに関する最新のアップストリーム変更により、将来的なデフォルトドライバとしての安定化が可能となる。これは、OVNドライバがNeutronリポジトリに統合され、ツリー内Neutronモジュラーレイヤー2(ML2)ドライバの1つになったことによるもの。従来のOpen vSwitch(OVS)ドライバと比較すると、OVNは仮想ネットワークの抽象化をサポートするとともに、データプレーンからの制御の分離を容易にし、それによりフル機能を完備したオープンソースSDNソリューションをもたらす。
そのほかの改善点として、Masakariプロジェクトの安定化が挙げられる。Masakariでは、エラーのインスタンスを自動的に回復することによってOpenStack上で実行するワークロードに高い可用性(HA)を提供する。これにより回復力が向上し、テナントはワークロードを展開する際にCorosyncやPacemakerなどの複雑な基礎技術を使用することなく可用性を実現できる。
Canonicalは、OpenStackとUbuntuのリリースサイクルを並行させることで、「Ubuntu 20.04 LTS」における「OpenStack Ussuri」を2025年までサポートする。また、「Ubuntu 18.04 LTS」での「OpenStack Ussuri」のサポートは2023年までとなっており、基盤となるオペレーティングシステムをアップグレードするまで3年間のサポートが提供される。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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