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新規事業開発における自らの失敗からなにを学んだのか UXデザインを事業運営に取り入れる心得とは

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2021/01/07 08:00

 サービスを運営するうえで、ビジネスの成功に大きく影響を及ぼす顧客体験の質。最適なユーザー体験を生み出し、世の中に必要とされる価値を提供し、そして事業の成長に導くデザイナーにはどのような役割が求められているのだろうか。新規事業立ち上げにおける自らの失敗経験から、事業戦略に必要なUXデザインの重要性に気づいたエイチームライフスタイルの章瑠希さんが、UXデザインを事業全体に取り入れるための心得を解説する。

目次

意気込んで加わった初めての新規事業開発

 こんにちは。エイチームライフスタイルの章です。エイチームは、インターネットを軸に多様な技術領域・ビジネス領域において事業を展開する総合IT企業で、既存事業だけではなく、新規事業の創出にも力を入れています。

 私は2018年2月に、エイチームのグループ会社であるエイチームライフスタイルに入社し、ライフエンディング情報サイト「Life.(ライフドット)」のUXデザイン全般を担当しています。Life.は、終活関連情報の発信および、日本全国の霊園・墓地の検索、資料請求・見学予約ができるサービスです。

 「Life.」を担当する前は、既存事業であるクレジットカード比較・情報サイト「クレジットカード攻略ガイド」のCROを行っていました。効果的なマーケティング施策のために、さまざまなクリエイティブでA/Bテストを繰り返し、検証し、効果改善を図っていくことが主なミッションでした。

 今回の「Life.」が立ち上げフェーズの新規事業に携わる初めての経験だったので、当時の私は「事業にUXデザインを取り入れてイケてるサービスにするぞ!」と意気込んでいました。

事業目標の達成のために不可欠な緻密な事業戦略

 「Life.(ライフドット)」はサービス開始以来、少しずつユーザーと提携事業者を増やし、サイト改善を重ねてきましたが、この3年間はサービスを改善するうえでさまざまな困難に直面しました。

 当時の私は「良いサービスとはデザインが優れていて、素晴らしいユーザー体験ができるものだ」と考え、どのようにUXデザインを事業に取り入れようかと考えていました。ところが後々、それはそんなに単純な話ではないと気づくことになるのです。

 私たちは世の中から必要とされるサービスを運営することで、価値を提供します。求められるニーズに応えていくためには、サービスそのものが安定していること、持続的な成長が見込めること、サービスを利用するユーザーや提携業者のニーズを満たすことが大切です。

 そのためには、事業の持続的な成長を可能にする事業運営を行っていかなければいけません。私たちは普段の業務の中で、売上をKGIとして追っており、その売上を構成する主要KPIとして、「資料請求数」「見学予約数」「ARPU」などがあります。さらに、そのKPIを達成するために必要な追うべき要素に「SEO順位」「CVR」「広告CPA」「見学予約率」などがあるというように、さまざまな指標があるのです。

KPIツリーのイメージ
KPIツリーのイメージ。

 売上を立てるには、こういったいろいろなKPIを分解し、チームでどのようにプロジェクトを推進していくか考えなければなりません。ひとつのサービスを改善するには、さまざまな要素があります。さらにエンジニアやデザイナー、マーケターなど、事業運営に関わるメンバーとの連携も必要とします。

サービス改善の施策はいろいろな要素が影響しあう。
サービス改善の施策はいろいろな要素が影響しあう。

 サービスを改善するためにはUXのみを改善すればよいというものではなく、このような複雑な変数を加味しながら、緻密な事業戦略のもと、サービスの改善を図っていかなければなりません。

新規事業のサービス開発でぶつかった壁

 新規事業におけるサービス開発は、何からつくるか、何を優先するべきかを見定めることはとても大切です。事業を継続的に運営していくので「作って終わり」ではありません。ただ、「事業を成長させながら、常にサービスを改善し続けなければいけない」という考えに、配属当時の私はなかなか納得することができませんでした。

 以前私が行っていたのは既存事業で軌道に乗っているサービスの改善がメインで、マーケティング施策としてA/Bテストを繰り返し、日々改善を行っていくというもの。そのため、配属後にLife.(ライフドット)のサイトを見たとき「とにかく直せるところから直していきたい」という衝動に駆られて仕方がなかったのです。

 下記が配属当時のサイトトップと、2020年12月現在のサイトトップです。今振り返ると、驚くほどデザインが変化しました。

この記事の続きは、「CreatorZine」に掲載しています。 こちらよりご覧ください。

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