よりパーソナリティに寄り添ったマイナスのデザイン
現代病と言われるスマホ依存症など、人々がスマートフォンに依存したり、技術過多に陥らないようにするためのデザインも大切だと考えています。
テクノロジーの過剰な使用によって、ストレスや不安、不眠などは、健康問題のひとつです。たとえば今後デザイナーは、ストレスを誘発するような通知機能、中毒性のある時間のかかる機能などを排除したサービスを作るべきです。デジタルデザインは、人々を混乱させるのではなく、私たちが人として快適なものであり、その成長を助けるべきだと考えています。
人々をスクリーンからあえて遠ざける技術やプロダクトがあっても良いのではないでしょうか。常にスマートフォンの前にいなくても、ユーザーに価値を与えられるようなシンプルで美しいサービスを作るにはどうすればいいのか。それには、よりユーザーに寄り添ったパーソナル化したデザインが求められていくのだと思います。
まとめ
プロダクトやOS自体の進化、そしてAIなど技術の進歩によって、私たちの生活の利便性が急速に向上しています。その中心のひとつであるスマートフォンから得られる体験は、なくてはならないものとなっています。
今後は、より個人にフォーカスされアイデンティティを強化したパーソナル化が進んでいくと思われます。「Material You」のようなデザインシステムのパーソナル化が進み、人のように進化した「VUI」が私たちを適切にサポートし、AIのアルゴリズムがあらゆる状況や場所も普遍的に調和してユーザーに寄り添ったUIUXの提供に向けて進化しています。
それらはアクセシビリティの向上はもちろん、人とデバイスとの関係性をより深く洞察し、つなぎ合わせることで個人の感情を呼び起こし、「愛着」へと昇華されていきます。
よって、未来のスマートフォンは「パーソナライズされた完全愛着UXプラットフォーム」になり、私たちに自身に近づいていく、いや私たち自身の「何か」に変容していくのではないでしょうか。
この先、AI・機械学習によって「当たり前」または「限界」と思われていた暗黙が打ち壊され、新しい優れたユーザー体験が実現していくと思います。
その中で私たちデザイナーは、自然の中に出かけたり、新しい文化や人に触れ体験するなど、テクノロジー以外の方向性を探ってみるということも大切になってくると考えています。なぜなら、人はとても複雑で多面的な存在で、さまざまな要素を持ち合わせていますし、デザイナーは最終的には「人」のためにサービスやプロダクトを作っているからです。
次回以降は、本記事でも触れましたがVUI(音声UI)について、またApple Watchなどの「AssistiveTouch」がもたらすUIUXについて掘り下げていきたいと思います。
以上、新谷でした。ありがとうございました!!