3.3. その他
3.3.1. ユーティリティコマンド
Ultra Lightには、開発や管理を助けるさまざまなユーティリティコマンドが存在する(開発用のものであるので、Windows上で動作する)。大抵の機能はSybase CentralからGUIでも可能であるが、コマンドで実行できれば便利な場合もあるだろう。主要なコマンドを紹介しよう。
- ulcreate / ulinit
- dbisql
- ulsync
- ulinfo
- uleng10 / ulstop
- ulload / ulunload / ulunloadold
$ ulunload -c DBF=sample.udb sample.xml $ ulload -c DBF=foo.udb sample.xml
3.3.2. Ultra Lightデータベースのバックアップ
Ultra Lightにはトランザクションログファイルがないので、バックアップ対象はデータベースファイルだけである。バックアップツールのようなものはないので、OSのコマンドでファイルをコピーする。手順としては、(i)DBを終了させて(キャッシュ上にあるかもしれない変更をファイルに反映させる)、 (ii)データベースファイル(*.udb)のコピー、となる。
なお、Mobile Link同期と共にUltra Lightを使っていれば、同期がバックアップを兼ねるので都合が良い。
3.3.3. 接続時のセキュリティ
Ultra Lightの接続時に、デフォルトでは認証は不要だが、ユーザーIDとパスワードを設定して認証を必須とすることもできる。なお、このユーザーID・パスワードは接続時の認証のためだけのものであり、テーブルなどへのアクセス権としての機能はUltra Lightにはない。
Ultra Lightデータベースを作成する際、ユーザーID「DBA」・パスワード「SQL」のユーザーが自動的に作られる。接続時にユーザーIDとパスワードが省略されるとこのユーザーIDとパスワードが使われる。よって、接続時に認証情報を渡さなくても自動的にユーザーID「DBA」で接続される。
そこで、明示的に認証するには新たなユーザーを作成して、「DBA」ユーザーを削除すればよい。このような管理作業はSybase Centralから行う。プログラムしたいのであれば、ULConnection#GrantConnectTo
やULConnection#RevokeConnectFrom
から可能だ。
3.3.4. 暗号化
Ultra Lightも、SQL Anywhereと同様にデータベースファイルの暗号化やMobile Link同期通信の暗号化に対応する。
- データベースファイルの暗号化
- Mobile Link 同期通信の暗号化
次回
次回は、データベースの同期するためのミドルウェア「Mobile Link」の概要を紹介する。社内評価や開発を目的としたSQL Anywhereの利用であれば、無償のDeveloper Editionを利用できるので、ぜひ一度、実際に試していただきたい。